ガキ使SPも見たい時間に堪能 急速な変貌実感

引用元:日刊スポーツ
ガキ使SPも見たい時間に堪能 急速な変貌実感

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

昨年で17回目となった大みそかの6時間特番、日本テレビ系の「ガキの使い!大晦日年越しSP 絶対に笑ってはいけない青春ハイスクール24時!」を、正月2日の夜に見た。

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帰省した実家の布団の中で、99歳の父親と88歳の母親を起こさないようにコッソリと見た。Huluの配信で、スマホで笑いをかみ殺しながら堪能した。

新しい地図の草なぎ剛の全裸監督、加藤浩次が登場した闇営業騒動などなど…。過去最高の面白さだった、と言っても過言ではないだろう。

特に感慨深いのは、1月2日に見られたことだ。例年大みそかまで紅白関連の取材でリアルタイム視聴は無理。年老いた実家の両親が録画など出来るはずもなく、例年は正月明けにテレビ関係者の自宅で新年会を兼ねながらというのが、多いパターンだった。

日刊スポーツでは毎年5月に前年度のドラマグランプリを発表している。主演、助演の男女優賞、作品賞など俳優やプロデューサーをインタビューするのだが、数年前まではオンエアが終わった作品を見るのに苦労した。テレビ局のアーカイブからDVDを借り出してもらって、延々と時間をかけて見るのは大変な作業だった。

日刊スポーツで会社から貸与される電話がスマホに変わったのは6、7年前。そして、それからメディアの状況が一気に変化した。全てはスマホに帰結するようになってきた。

音楽も、映像も、新聞を読むのだってスマホだ。メール、LINE、YouTube、キャッシュレス決済、仕事の連絡もスマホなしではままならない。

DVDを借り出していた映画やドラマも、空いている時間に配信で効率よく楽しめるようになった。

記者が初めて、スマホで全編を見た映画は3、4年ほど前にHuluに加入した時の「蛇にピアス」(08年公開)。年のせいか朝の4時くらいに目が覚めて、スマホをいじっているうちにHuluに加入したことを思い出し、ベッドの中で寝っ転がりながら一気に見てしまった。

見終わってから「俺、スマホで映画を見ちゃったよ」と軽い衝撃を覚えた。本当なら吉高由里子がヌードになっていることや、高良健吾が赤毛モヒカンで舌先の割れた男を演じていることにビックリしなければいけないのだが(笑い)。

「いつも日刊スポーツを呼んでいますよ」と声を掛けてくれる人も、新聞ではなくスマホで記事を読んでくれる人の割合が多くなった。スマホで見た「ガキ使スペシャル」でメディアの急速な変遷を思い知らされた。

思えば、ここ数年はネット速報に力を入れ、自分の書いた速報がYahoo!ニュースに転載されるように頭をひねっていたのだが、若い人はLINEニュースを読んでいるという。さらに、そのLINEをYahoo!の関連会社が買収すると、メディアの再編も急だ。

そして、もう1つ。長年愛読していた任侠(にんきょう)専門誌「実話時代」が昨年9月号で休刊になっていた。コンビニ業界の規制などもあって、取り扱っている書店も少なくなり、見かける度に購入していたのだが、まさかの休刊だった。急いで、スマホを使いAmazonで最終号を購入した。

平成初めの山口組と一和会の抗争の頃は、できたばかりのスポーツ紙の社会面でヤクザの抗争事件を取り上げた。通信社の配信する原稿を使うだけではなく、実際に抗争のあった現場へも取材に行った。山口組本家のある神戸へ取材に行った折りに、タクシーの運転手がそばに行くのを嫌がるので、歩いて本家の門の前へ行きシャッターを何枚か切り続けた。「くぉらー!」の怒声とともに若い衆らしき人が飛び出してきて、泡を食って逃げ出したのも懐かしい。「ほらね、だから嫌なんですよ」という運転手に「聞いてないよォ」と言ったか、言わないか。ダチョウ倶楽部のギャグ「聞いてないよォ」は、スマホで調べると93年の流行語大賞銀賞だから、多分言ってないと思う(笑い)。