杉良太郎、日本人は「成熟」せよ 「アジア国際子ども映画祭」開催で力説

引用元:スポーツ報知

 歌手で俳優の杉良太郎(75)が名誉会長を務める「アジア国際子ども映画祭」が7日、兵庫・南あわじ市文化体育館で開かれ、16の国・地域の子ども約340人が参加した。

 壇上に立つと、言葉が熱を帯びた。杉は「子どもの将来は大事。もう少し真剣に考える機会があってもいいのでは」と呼びかけた。

 「子どもの心の中に内視鏡を入れよう」をコンセプトに、杉が文部科学省、外務省に働きかけて創設された同映画祭。小学生から高校生が3分間の短編映画を制作。心理学的な観点から映像を分析し、青少年問題の解決策の糸口にしている。

 13回目のテーマは「迷惑をかけることとは?」。昨今はあおり運転、歩きスマホの人を狙った“当たり屋”など自己中心的な事件が急増。杉は「自分が気持ち良ければいい、という風潮がある。俺が子どもの時は『偉い人やお金持ちにならなくていい。ただ他人に迷惑をかけるな』と育てられてきた。それが昔の日本人の感覚だった」と憂う。

 法務省の特別矯正監、警察庁の特別防犯対策監などを務め、刑務所慰問は60年。その経験から日本人の“心の成熟”を説いた。「(20歳を過ぎていたら)子どもが悪さをしても、親が出て行って謝るのはやめるべき。成人式を迎えたら、もう一人前の大人。自己責任が生まれるんだ。何でもかんでも親や(勤務先の)企業だったり、第三者の責任に持っていくのはおかしい。その人の責任。成熟した国にならないとダメ」と語った。

 13年の同映画祭のテーマは「いじめ」だったが、「アジア諸国も日本と同じようないじめがあった。恐らくいじめは人間の本質。どこの国も変わらない」と成果を強調。映像心理の分野で注目を集めており「メジャーな映画祭ではないかもしれないが、長く続けたい」と未来を見据えた。

 ◆薬物問題には「検査したらいい」

 相次ぐ芸能界の薬物問題について、杉は「本人の同意を得て尿検査、血液検査をしたらいい。タレントも自主的にやったらいい。そうすれば、テレビ局など使う側も、何の心配もせず起用できる」と提案した。

 「俺が(芸能事務所の)会長や社長なら『半年に1回検査をやろう』と言うね。社員にも実施させる。世の中に『クリーンな会社』と思ってもらえるから。それじゃあダメなのかね? 何でやらないんだろうと思っています」と力説した。麻薬撲滅団体の会長を務めていた時期もあり「マスコミも、すぐに(被告に)会見を求めたりするのはおかしい。謝れないんだから。やりたい人には、やらせておけばいい。薬物はそんなに簡単(に抜けられるよう)なものじゃない。だから薬物なんだ」と語った。

 ◆伍代夏子らゲスト

 同映画祭には伍代夏子(57)、EXILE・ATSUSHI(39)、w―inds.らがゲスト出演した。18日に誕生日を控える伍代は「演歌歌手だけじゃなく、歌謡曲のみんなも集めて(再来年に)還暦コンサートをやりたい」。出演者は、映画祭前に500年の歴史を持つ淡路人形芝居(淡路人形浄瑠璃)を上演する淡路人形座を訪れた。

報知新聞社