豊島将之名人が新竜王 2大タイトル同時保持のは4人目「ここまでやれるとは」

引用元:スポーツ報知

 将棋の第32期竜王戦7番勝負第5局が7日、島根県津和野町で行われ、先手の豊島将之名人(29)が143手で広瀬章人竜王(32)に勝ち、対戦成績4勝1敗で竜王を奪取した。棋界2大タイトル「竜王」と「名人」を同時保持するのは史上4人目の快挙。

 圧巻の勝負術が光った。豊島は終盤、劣勢から巧妙な指し回しで粘り、広瀬の緩手を誘発。ギリギリで詰みを逃れて投了に追い込んだ。局後はいつものように「終わったばかりで実感はないです」と淡々と語った。

 将棋には竜王、名人、叡王、王位、王座、棋王、王将、棋聖の8大タイトルがあるが、竜王と名人は別格の存在。日本将棋連盟がアマチュアに段位を認定する「免状」には連盟会長とともに時の竜王、名人の揮毫(きごう)が刻まれる。大2冠の同時保持は1994~96、2003年の羽生善治現九段(49)、97~98年の谷川浩司現九段(57)、2004、13~14年の森内俊之現九段(49)に次いで4人目。永世名人資格保持者である大棋士3人と肩を並べた豊島は「自分がここまでやれるとは思いませんでした」と話した。

 昨年7月に初タイトルの棋聖を獲得。その後、王位、名人を連続奪取して史上9人目の3冠に輝いたが、以降は棋聖、王位を連続失冠。ジェットコースターのようにアップダウンを繰り返したが、初挑戦の竜王奪取で見事偉業を成し遂げた。

報知新聞社