水瀬いのり、変幻自在の芝居で「驚かせたい」 デビュー10周年、“自分らしさ”気張らず探求

引用元:オリコン
水瀬いのり、変幻自在の芝居で「驚かせたい」 デビュー10周年、“自分らしさ”気張らず探求

 数々の人気アニメに出演し、デビュー10周年を迎えた声優・水瀬いのり(24)。そんな彼女が現在TOKYO MXなどで放送中のTVアニメ『ソマリと森の神様』に主人公・ソマリ役として出演し、エンディング主題歌も担当する。2010年から声優活動をする中でアーティスト活動にも力を入れている彼女。声優業以外でも活躍していたが、「将来、私はどのように活動していくのか…」「マンネリ化することのない仕事だと実感しました」と芸能生活10年を振り返りながら、役者として“素”を貫く理由を語った。

【動画】少女ボイスを披露する水瀬いのり!アニメのPV

■節目の年に向き合った“純粋さ”

 『ソマリと森の神様』は、異形の生物に支配され人間が絶滅の危機となっている世界を舞台に、森の神様・ゴーレムと人間の娘・ソマリが森で不思議な出会いを果たし、ソマリの両親を探す旅を始めるファンタジー。旅の中で深まる父娘の絆や幼いソマリの成長、感情がないはずのゴーレムが“親”になっていく姿が描かれる。

 数多くのファンタジー作品に出演している水瀬だが、今作は少し雰囲気が違うため役作りにも変化があったように思える。「過去に務めた作品は、少しコメディー要素が含まれていることが多かったのですが、今作はファンタジーの世界観に居つつも人間らしい無邪気な感情を表現することを意識しました」と説明し「外の世界を知らない少女ということは、見る世界がすべて新鮮なので、喜怒哀楽という感情を明確にしました」と感情表現はストレートにしたという。

 苦労する部分もあったそうで「周囲のキャラクターはソマリのことを保護者目線で見るのですが、その中で、ソマリの純粋さというのは、私たちが大人になるにつれて忘れかけてきた部分なので難しいアプローチでした」と明かし「大人になると言いたいことがあるけど、空気を読んで言えないことが多々あると思います。ですが、ソマリだとストレートに言う純粋さがある。感じたことをまっすぐに相手へぶつけるということに、私自身、『この感覚は忘れたくないな』とソマリから学ばせていただきました」とソマリとの出会いを通じ役者としてひとつ成長できたことに感謝した。

 今作では主演とともにED主題歌も担当している。「今年は声優デビュー10周年、アーティストデビュー5周年という節目の年となっています。大事な1年となる新年早々に主演、ED主題歌を務められることはとても光栄でうれしいことです。初心に帰るような気持ちで挑んだので、ファンの方々へどのように届けられるのかドキドキしています」と笑顔。

 しかし「声優としてキャラクターの声を務める時は、当たり前ですがキャラクターがメインですので、自身が目立ってはいけない。ですが、歌手としては“水瀬いのり”として表に出ている。今作は主演とED主題歌をやることもあり、作品で見た場合は、自身の存在が混在してしまいバランスが難しい部分でした」と苦悩も明かす。

 「新しいスタートという意味では、原点回帰ではないですが、忘れかけていたソマリのような“純粋さ”とリンクする部分があります。声優として最近、ちょっぴり個性的なキャラクターに挑戦する機会が多かったのですが、ソマリのようにここまで純粋に健気なキャラクターを務めることは久しぶりな気がします」と“純粋”に役と向き合ったと語った。