【令和元年 回顧】トラウデン直美が解説、2019年「スポーツ報知社会面大賞」

引用元:スポーツ報知
【令和元年 回顧】トラウデン直美が解説、2019年「スポーツ報知社会面大賞」

 スポーツ報知社会面での記事の掲載回数や大きさをランキング化する「報知社会面大賞」。13回目を迎えた今年、紙面で最も注目されたのは、天皇、皇后両陛下だった。「令和」に改元された5月1日に即位した天皇陛下と皇后さまに、多くの国民が親しみと感動を覚えた。そんな両陛下の姿、そして皇室を若い世代はどう見ているのか。11月10日に行われた即位パレード「祝賀御列の儀」のNHKの中継番組で的確なコメントが注目された、モデルのトラウデン直美(20)に聞いた。(高柳 哲人)=この記事は2019年12月29日の紙面に掲載されたものです=

 皇室評論家や天皇陛下のご学友ら、そうそうたるメンバーの中に入り、視聴者の心に届くコメントが絶賛された。「とにかく、出演後の反響がすごかったです。本当にいい時間をいただけました」とトラウデン。今年これだけ皇室が注目されたことについては「やはり、生前退位が大きな要因ではないでしょうか」と分析した。

 「『お祭り』とか『ハッピー』という言葉がふさわしいのかは分かりませんが、誰もが前向きに、お祝いをしてもいいという空気の中で行事が行われていたと思います」。生前退位は江戸時代の光格天皇以来202年ぶり、そして憲政史上では初めてだった。昭和天皇が崩御され、「自粛ムード」があった昭和から平成への代替わりとは環境が大きく異なった。

 トラウデンはまた、上皇さまの決意を受け継ぎながら「新しい皇室像」をつくっていきたいという気持ちが天皇陛下からうかがえたことも大きいと感じている。「上皇さまの時代には、まだ『戦後の反省』という時代が続いていた部分はあるかと思います。ただ、天皇陛下からは、『世界に向けて日本を発信したい』という意志を受け取りました」

 それを強く感じ、一連の行事の中で最も印象に残ったのが、「饗宴(きょうえん)の儀」での両陛下だったという。「海外の要人の方と直接、自然な感じでお話をされていました。グローバル化が進む中、日本の立ち位置を考え、どんな存在になるべきかの指針を示されていたと思います」と振り返った。

 トラウデンが皇室の存在を知ったのは、幼い頃の母の言葉だったという。「女の子はみんなそうだと思いますが、私もディズニー作品のプリンセスにあこがれていました。そんな時、母に『日本にもプリンセスはいるのよ』と教えてもらったことが、皇室を意識した始まりだったと思います」

 2011年の東日本大震災では、被災地を訪問する今の上皇ご夫妻の姿をニュース映像で見た。「小学生だったので、震災の深刻な状況までは分かりませんでした。でも、被災した方に話しかける姿に、『国民に寄り添われる、こんなに優しい方なんだ』ということを強く感じました」。大学に入り天皇制について学ぶ中で、日本人にとっての皇室の存在をより感じるようになったという。

 トラウデンは、特に若い世代の天皇陛下への親しみにつながったのでは、と感じた出来事をひとつ挙げた。

 「(今回の即位で)陛下のこれまでを振り返る中で、皇太子時代の2017年にデンマークを訪問された際、現地で『自撮り』に応じられていたことが改めて報じられました。大学の周りの子たちも『私たちと同じことをするんだね』と言っていましたし、距離を近く感じることができたんだと思います」

 パレードの際、両陛下が折々で会話をされていたのが映し出された。トラウデンにとっては意外だったという。「でも、そんな飾らない姿が逆に、親しみを感じられる点でもあると思います。形式ばりすぎないお二人の姿を見て温かい気持ちになりましたし、『国民を大切にするには、まず身近な人から』というお気持ちが伝わってきました」

 即位前の会見で、天皇陛下は「時代に応じて求められる皇室の在り方を追い求めていきたい」と話されていた。両陛下は世界に類を見ない、100代以上脈々と続く伝統を守りながら、同時に新しい時代を受け入れ、その時代とともに歩もうとされている。

 ◆トラウデン直美(とらうでん・なおみ)1999年4月21日、京都府生まれ。20歳。父はドイツ人、母は日本人。2012年9月に「ミス・ティーン・ジャパン」でグランプリを獲得。13年2月、女性ファッション誌「CanCam」に同誌史上最年少の13歳で専属モデルデビューし、現在も活躍中。18年4月、慶大法学部政治学科に入学。米ハワイで今月行われたホノルル・マラソンでフルマラソンに初挑戦し完走。身長169センチ、B80・W56・H88センチ。血液型A。家族は両親と弟。

 ◆報知社会面大賞結果

 1位 天皇、皇后両陛下(74ポイント)

 2位 藤井聡太七段(65ポイント)

 3位 安倍晋三首相(64ポイント)

 4位 カルロス・ゴーン被告(61ポイント)

 5位 仲邑菫初段(51ポイント)

 6位 トランプ米大統領(49ポイント)

 7位 小泉進次郎環境相(41ポイント)

 8位 京アニ放火事件・青葉真司容疑者(40ポイント)

 9位 上皇、上皇后両陛下(35ポイント)

 9位 ラグビー日本代表(35ポイント)

 ◆報知社会面大賞、昨年大賞の藤井七段堂々2位

 昨年大賞に輝いた将棋の藤井聡太七段(17)は、惜しくも2005、06年の堀江貴文氏以来13年ぶりの連覇こそならなかったが、堂々の2位に。朝日杯連覇、王将リーグでの活躍、五輪聖火ランナー決定など今年も話題盛りだくさんで紙面を飾り続けた。

 昨年の大賞獲得時に「本当に多く取り上げていただいてうれしく思います。来年も皆さまの目に留まるように頑張りたいです」と感想を語っていたが、まさしく有言実行の活躍ぶりだった。

 2020年に期待されるのは初のタイトル挑戦。現在、棋聖戦2次予選決勝進出、王位リーグ入りなど一歩ずつ駒を進めている。大舞台に立てば、来年も上位にランクインすることは間違いなさそうだ。

 ◆報知社会面大賞 2005年スタート。スポーツ報知社会面で報じた「登場回数」「記事の大きさ」を独自にポイント化。1面は20ポイント、最終面は10ポイント、社会面トップ記事は5ポイント、トップに次ぐ記事は2ポイントで集計して決定する。 報知新聞社