芦田愛菜、5年ぶりの実写映画主演!芥川賞作家、今村夏子の原作『星の子』が映画化決定

引用元:Movie Walker

芥川賞作家、今村夏子の原作を芦田愛菜主演で映画化する『星の子』の製作が決定した。『日日是好日』(18)の大森立嗣監督がメガホンをとり、2020年に公開される。

【写真を見る】第157回芥川賞候補に選出された今村夏子の原作「星の子」

大好きなお父さんとお母さんから愛情いっぱいに育てられたちひろだが、両親はちひろが生まれたときの病気を奇跡的に治した“あやしい宗教”を深く信じていた。思春期を成長していくちひろは、生まれて初めて、両親と暮らす自分の世界を疑い始めていく…。

『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』(14)以来、5年ぶりの実写映画での主演となる芦田。近年ではNHK連続テレビ小説「まんぷく」で史上最年少での“語り”を担当し、アニメーション映画『海獣の子供』(19)の主演声優や、天皇陛下の即位を祝う「国民祭典」での堂々たる祝辞など幅広く活躍。本作では、実年齢と同じ中学3年生の、少女から大人へと成長していくかけがえのない瞬間を生きる「ちひろ」を演じる。

原作の今村夏子は、デビュー作『こちらあみ子』で第24回三島由紀夫賞を受賞。最新作『むらさきのスカートの女』で令和初の第161回芥川賞を受賞するなど、いま最も次作期待される小説家の一人。本原作『星の子』は第157回芥川賞候補に選出されており、今村の原作が映像化されるのは本作が初となる。

そして監督、脚本は『さよなら渓谷』(13)が第35回モスクワ国際映画祭で「人間関係への深い理解と洗練された演出」と評価され審査員特別賞を受賞し、樹木希林の遺作の一本となった『日日是好日』(18)で報知映画賞の最優秀監督賞を受賞した大森立嗣。少女ちひろの成長と家族の行方をいかにして描くのか、期待が高まる。撮影は12月から2020年1月を予定しているといい、続報に注目が集まる!

<芦田愛菜、大森立嗣監督、今村夏子(原作)コメント全文>

●芦田愛菜(主演)

「原作を読ませて頂いて、信じるという事について深く考えました。

自分の考えとは違うと思っていても、

大切な人の考えを信じてみようと思ったり・・・・

正しいか間違っているかの判断だけでなく、

人はその人と、その周りをとりまく環境や

人の想いによって見え方が変わってしまったり・・・・

誰かを、何かを、たとえそれが自分の大切な人でも

迷わず信じ続けることはとても難しい。そう感じました。

私が演じさせて頂くちひろは、少しずつ自分の環境に違和感を感じつつも、

悩みながら素直に物事をうけとめて

真っ直ぐに生きている女の子だと思います。

これからちひろをどんな風に演じていくか、

そしてこの映画の中で〝信じる″という事は何なのか?

ちひろと共に探していきたいと思います」

●大森立嗣(監督、脚本)

「『星の子』という小説を読んで思ったのは、

自分のことを置いといてでも人を思う気持ちです。

敏感で多感な14歳の少女は風に揺れながら、

飛んでいってしまいそうな小さな体で立っています。

それでも自分のことのように人を思うのです。

これなんだろう?と思ったら、優しさでした。

この映画が清涼な一陣の風のように、

皆様を優しさで包み込むようになればと思っています」

●今村夏子(原作)

「この小説を書いた後、私の信仰の有無について訊かれる機会が何度かありました。信仰に限ったことではありませんが、私は『信じる者』でも、『信じない者』でもありません。『信じたいのに、信じることができない者』であり、『信じていたことが、だんだん信じられなくなってくる者』です。信じる、信じない、の狭間にあるこの物語を、映画という形で味わえること、とても楽しみにしています。私が掴み損ねたかもしれない、ちひろの心の深部に映像を通じて触れられるのではないかと今から期待しています」(Movie Walker・文/富塚 沙羅)