松岡茉優「一期一会」並々ならぬ決意/主演女優賞

引用元:日刊スポーツ
松岡茉優「一期一会」並々ならぬ決意/主演女優賞

<日刊スポーツ映画大賞授賞式:主演女優賞・松岡茉優(「蜜蜂と遠雷」)>◇28日◇ホテルニューオータニ

主演女優賞を受賞した松岡茉優(24)は「万引き家族」で共演し、前年同賞を受賞した安藤サクラ(33)から盾を受け取ると、花が咲いたように会話を始めた。司会の露木アナから「そこで世間話しないように」と突っ込まれると、申し訳なさそうに笑った。

若きピアニストたちの葛藤と成長を描く「蜜蜂と遠雷」は、恩田陸氏の同名小説が原作。音楽表現の豊かさから映画化は難しいと言われていた。「恩田先生がきっと死ぬ気で書いた作品を、中途半端に映像化することは絶対に絶対に許されない」と並々ならぬ決意で臨んだ。作品づくりの中で出会い、別れを繰り返すことから「映画って一期一会だなと。終わってしまったら始まって、現場が終わったらそれぞれ俳優に戻って。悔いのないよう一作一作挑んでいきたい」とも語った。鈴鹿央士(19)から花束を受け取る場面では、言葉を体現するようにすすんで手を差し出し、ギュッと握手した。

“一期一会”を実感するだけに、舞台裏では関係者との再会を喜んだ。「万引き-」の是枝裕和監督(57)をはじめ、過去の共演者、旧知の映画スタッフらに代わる代わる囲まれた。大勢に祝福される状況を「何だかんだこの世界に長くおりますので」と照れつつ、「授賞式は今まで携わった作品をもう1度かみしめられる時間。温かくてありがたい場所です」と喜んだ。

松岡はこの授賞式が仕事納めとなった。いい締めくくりになったかとの質問には「本当に! ありがとうございます」と笑みを返した。来年もすでに公開予定の作品が控えており、活躍が期待される。例年前年の受賞者が盾授与者を務めるが、松岡は「プレゼンターとしてじゃなくとも呼んでいただけることを目指して、頑張ってまいります」と謙虚に意気込んだ。【遠藤尚子】