「霜降り明星」粗品 夢だった「1万人の第九」でよろこびのうた朗読「期待は裏切れないと…」

 お笑いコンビ「霜降り明星」の粗品(26)が1日、大阪城ホール(大阪市中央区)で開かれた「サントリー1万人の第九」(本社後援)に出演し、第4楽章の歌詞の元となったシラーの詩「歓喜に寄せて」の日本語訳「よろこびのうた」を朗読した。

 出演後の会見で相方のせいや(27)が「相方の夢がかなった日」と語った夢舞台。粗品は昨年末のM―1優勝後のインタビューで「いつか出たい番組は?」との質問に1万人の第九を挙げた。その記事を総監督、指揮の佐渡裕氏(58)が目にし、届いた出演オファー。「100万回ダビングした小栗旬です」。小栗は一昨年の朗読ゲスト。粗品はお笑い芸人初、しかも最年少での起用だったが、得意のボケで登場時から1万人のハートをつかんだ。

 昨年末のM―1と今年3月のR―1。史上最年少、かつ初の2冠制覇の原動力になったフリップ芸で歌詞を説明していった。

 「“全ての者が兄弟になる”とは人類が一つになる、ベートーベンが最も訴えたかったことです」として自筆の家系図のイラストを大型ビジョンにライトアップ。「人類が一つになれる道を目指してハーモニーで歓喜の歌を歌おうではないか。みなさんが主役です」と呼び掛けて降壇した。

 出演後、「イベントを台無しにする可能性があった人間。今年出てきたポッと出の芸人を大役に抜擢してくれた佐渡さんの英断、懐の深さ。期待は裏切れないと思っていた」と感激を語った粗品はピアノも弾ける、クラシック音楽通。会場でフリップを見た子供たちからの笑い声を聞き「うれしかった」と振り返り、今後の芸能活動を通じて「クラシック音楽の難しそうなイメージをもっとポピュラーなものにできるんじゃないかと思った。その架け橋になれれば」と意欲を語った。

 第九の合唱には元アイドルグループ「アイドリング!!!」のメンバーでタレントの朝日奈央(25)も参加した。イベントの模様は21日午後4時からMBS系で放送予定。