寅さんが4Kでよみがえる!男はつらいよ50作目

引用元:日刊スポーツ
寅さんが4Kでよみがえる!男はつらいよ50作目

山田洋次監督(88)が19日、都内で、映画「男はつらいよ お帰り 寅さん」(27日公開)プレミア試写会舞台あいさつに出席した。

「男はつらいよ」シリーズ50作目となる同作は、新撮された登場人物たちの現在と、4Kデジタルでよみがえった渥美清さん演じる寅さんで紡ぐ作品。

「この映画の撮影を始めてからずいぶんとたちますからね。ようやくこの日が来たかとうことで、胸がどきどきしています」と話した。

渥美さん演じる寅さんをどのように描くかで悩んだ。「今まで長い長い1本の映画を撮っているようで、その中からどの部分をどのように取り出して、寅さんが生きているように描くのかは、難しかったけど、同時に楽しかった。編集作業でたっぷり渥美さん演じる寅さんに会えたから」と振り返った。

また、「この作品は出演者の人生がドキュメンタリーのように見える面もあるけど、寅さんだけが年を取らずに抽象的な存在でいる。渥美さんは肉体を超越して表現できる人だったんだなと。今思えば、生々しい表現を嫌う人だったなと思った」と話した。

記念すべき50作目。51作目の可能性を聞かれると「第1作目を撮ったときもそれでも終わるつもりだった。だから今は全く考えていない。まだ封切り前だから」とほほ笑んだ。

舞台となった柴又も変化している。「寅さんがいつ帰って来ても変わらない街として描くために、変わりゆくところを映さないようにしてきたけど、今では街も変わらないほうがいいと気が付いてくれて。東京では、今では珍しい古い街だと思います」と話し、「不便かも知れないけど、変わらないでいて欲しい」と願った。

最後に「渥美さんは鑑賞眼のある方だったので、今度の作品こそ、『俺も出ているけど良くできていたよ』と、この劇場のどこかで笑いながら言ってくださったらいいなと、そうであって欲しいなと願っています」としみじみと語った。

この日は、倍賞千恵子、前田吟、吉岡秀隆、後藤久美子、池脇千鶴、桜田ひより夏木マリが登壇した。この日が誕生日の桜田は「ロケバスの中でおじいちゃん(前田)とおばあちゃん(倍賞)からバースデーソングを歌ってもらいました」とほほ笑んだ。