清水翔太の心を支える小田和正の1曲

引用元:スポーツ報知
清水翔太の心を支える小田和正の1曲

 シンガー・ソングライターの小田和正(72)がホスト役を務めるTBS系音楽特番「クリスマスの約束2019」(25日・深夜0時10分)が、2年ぶりに復活する。01年から18回目。このほど小田の故郷・横浜の隣の横須賀芸術劇場で収録が行われた。演奏ミスによる撮り直しなど、3万通を超える延べ10万人の応募から選ばれた1600人のファンにとって普段は見られないパフォーマンスの数々。同番組では恒例の公開収録ではあるが、取材する立場としても番組収録に立ち会うのは貴重な機会だ。

 今年は長年ずっと番組を支え、小田が命名した「委員会バンド」メンバーのスキマスイッチ、「スターダスト☆レビュー」の根本要(62)、「いきものがかり」の水野良樹(36)ほか、初登場の松崎ナオ(43)。また5年ぶり3度目の出演となった清水翔太(30)の姿もあった。

 冒頭、オールキャストで定番「きよしこの夜」を歌った後、清水は息を潜めるようにステージ後方にいた。見ているこちらも存在を忘れるほど。そのさなか、収録の最後に小田が「今年はぜひ翔太を呼んで、この曲で締めくくりたいと思った」とステージ中央へと招き入れた。「この曲」とは、最後にオールキャストで締めくくった「この日のこと」だ。

 同曲は番組初放送の01年に制作したテーマソング。今年、フィナーレを飾るきっかけを作ったのが清水だった。8月に自身のSNSで「僕が歌うのはおこがましい美しい曲ですが、未発表曲という事もあり、皆さんに聞いてもらいたいと感じて歌いました」と弾き語り音源を投稿。その映像を見た小田が「“クリ約”は、この歌で始まったなということを改めて思い出した」と原点回帰の思いを呼び起こすきっかけにもなった。

 清水が番組で初めて同曲に触れたのは、10年前。各アーティストの楽曲をつなげえる22分50秒のメドレーのリードとして全員で歌った。当時、清水はまだデビュー2年目。「右も左も分からない状況の中で、すごく光栄な分、一番若手の自分が失敗できないというすごいプレッシャーもありました。毎日、必死に練習している中で、すごく刺さる曲でした」と当時を振り返った。

 2人は12年に「清水翔太feat.小田和正」名義で「君さえいれば」をリリースした。清水は「また小田さんに会えるように、そういう思いが今の自分の活動を支えている」。だからこそ、5年ぶりの出演に喜びはひとしお。今でも「孤独な時や不安な時とか、すごく助けていただいている曲です」という。年末にさしかかり、それぞれ1年のいろいろな出来事を振り返る意味でも心に染みる2人のトーク。番組にとっても、来年以降につながる1曲となったはずだ。(記者コラム)

報知新聞社