【報知映画賞】松岡茉優、主演作賞レース快走「作品賞をもらえたことが一番うれしい」

引用元:スポーツ報知
【報知映画賞】松岡茉優、主演作賞レース快走「作品賞をもらえたことが一番うれしい」

 第44回報知映画賞の表彰式が18日、都内で行われた。作品賞を受賞した「蜜蜂と遠雷」からは石川慶監督(42)と、新人賞の鈴鹿央士(19)が登壇。主演の松岡茉優(24)が花束ゲストに駆けつけ「作品賞が一番うれしい」と声を弾ませた。

 長編2作目の石川監督と新人賞の鈴鹿に花束を渡したのは、今作の主人公・栄伝亜夜を演じた松岡。自身も先日発表された日刊スポーツ映画大賞で主演女優賞を受賞したばかり。“蜜蜂”は賞レースを総なめしそうな勢いだ。

 「個人賞より、作品賞をもらえたことが一番、うれしくて今日ここに来ました。石川監督が風変わりなエンターテインメントと言った通り、賞に絡む映画になると想像できなかった。それだけ撮影中はみんな、泥臭く愚直に必死だったので」と振り返った。

 会場を離れると「映画ってこういうご褒美があるのがいいですよね。今日、報知映画賞の表彰式の雰囲気も知ることができた。私もいつかスポットライトがあたる時が訪れれば」と願望をのぞかせた。鈴鹿には写真撮影時、目線の送り先を優しく指で教えてあげる場面も。「まだどこを見ればいいか分からないと思ったので。もう姉のような気持ちで隣にいました」

 石川監督は「賞は励みになります。でも表彰式にこんなにたくさん、いろんな映画関係者が集まると思っていなかった」と少し圧倒された様子。歴代作品賞の表に目をやった。1976年「犬神家の一族」(第1回、市川崑監督)、77年「幸福の黄色いハンカチ」(第2回、山田洋次監督)など邦画史に残る名作が並んでおり、「プレッシャーになるので見ないようにします」と苦笑いした。

 「蜜蜂と遠雷」の原作は直木賞を受賞した恩田陸さんのベストセラー小説。演奏の場面と心理描写が大半を占めるため、映像化は困難とされる中、作品は作られた。「賞のおかげで首の皮一枚つながったようなものです」。浮かれることなく、視線はまっすぐに先を向いている。

(内野 小百美)

 ◆松岡 茉優(まつおか・まゆ)1995年2月16日、東京都生まれ。24歳。2008年から3年間、テレビ東京系の子供向け情報番組「おはスタ」の“おはガール”として活躍。「万引き家族」(是枝裕和監督)などで、19年にブルーリボン賞助演女優賞を受賞。身長158センチ。

 ◆石川 慶(いしかわ・けい)1977年6月20日、愛知県生まれ。42歳。東北大物理学科からポーランド国立映画大に留学。17年長編デビュー作「愚行録」がベネチア国際映画祭出品ほか多くの新人賞を受賞。同年短編「点」、18年WOWOWドラマ「イノセント・デイズ」など。

報知新聞社