映画館で能!東映が初の試み、五輪期間中の外国人がターゲット

引用元:スポーツ報知

 邦画大手の東映が、2020年の東京オリンピック開催中(7月28日~8月8日)、映画館の東京・丸の内TOEI〈1〉で日本最古の伝統芸能「能」を上演することが10日、分かった。東映の映画館では1951年の創立以来、初の試みだ。

 近くの東銀座には世界的観光名所でもある歌舞伎座があるが、歌舞伎の歴史が約400年であるのに対し、能は約700年と日本で最も長い歴史を誇る古典芸能。ターゲットは五輪中に訪れる外国人観光客だが「日本文化に協力し、世界中の方々に素晴らしい伝統芸能を知ってもらえるよう尽くしたい」と東映・岡田裕介会長(70)が企画。映画館の“能楽堂”化は68年の東映史でもなかった。

 しかし能は能でも、普通の能ではない。海外でも人気の“戦隊もの”などでCG技術を提供してきた東映ツークン研究所と「能」が合体する。今回のために3面スクリーンを特設。観阿弥・世阿弥から700年の歴史を受け継ぐ二十六世観世宗家・観世清和氏(60)監修のもと、最先端のデジタル技術と最古の芸能の競演で迫力あるものになる。

 演目も能で代表的な「高砂」「紅葉狩」「胡蝶」。1公演、約40分でハイライトシーンを堪能できる濃密な空間となる。関係者は「誰も見たことのない“スペクタクル能”で『神・鬼・麗 三大能∞2020』という題を予定。敷居など考えず、音楽のライブに行く感覚で気軽に楽しんでほしい」。出演は観世流の能楽師が勤めるが、清和氏は「最新技術を使って世界に発信される能にご期待ください」と早くも自信をのぞかせている。

報知新聞社