コロナに負けない!「草津温泉らくご」が落語家支援 芸協も「歌丸基金」で後押し

引用元:スポーツ報知
コロナに負けない!「草津温泉らくご」が落語家支援 芸協も「歌丸基金」で後押し

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、公演中止が相次いでいる落語家のために、「草津温泉らくご」が支援に乗り出した。

 湯もみショーが行われる草津「熱乃湯」で毎夜行われる落語会は宿泊客の娯楽として定着。2009年12月に始まってから、毎日休みなしで開催されており、3月には公演3700回を越えた。通常は二ツ目の落語家1人が口演するが、4月以降は若手真打ちや色物も加え出演者を増やして対応することに決めた。

 草津温泉らくごは、東日本大震災や白根火山噴火などの天災の時でも休演せずに、毎日開催してきた。小林恵生(よしのぶ)事務局長(44=奈良屋グループ社長)は「自粛ムードですが、どんな時でも元気で続けている。(落語家の)出番がなくなっているので、是非、こちらに出演してもらいたい」と協力を申し出た。

 後援する落語芸術協会(春風亭昇太会長)が把握しているだけでも、コロナウイルスの影響で2月から4月までで820公演が中止となり7000万円以上の損害が出ている。キャンセルが相次ぎ開店休業状態の落語家も多い。芸協では、18年7月に亡くなった前会長の桂歌丸さんの葬儀での香典など遺族から寄付された「桂歌丸基金」がある。若手育成のために基金を充てて公演を支えていくことを決めた。

 番頭として顔付け(出演者のスケジュール調整)などを担当している笑福亭羽光(47)は「温泉地と落語は相性がいい。(草津で)初めて落語を聞いて、東京の寄席に来てくれるお客さんも多いんです」と話している。

 コロナウイルスの影響で現在、草津では全体的に観光客が減少しているものの3月に入り若い人々の来訪は増加しているという。高座と客席の間に温泉があり、約7メートルの距離があるが、感染拡大防止のために今回はその距離も幸いしている。「草津温泉らくご」が笑いで世の中を活気づける。 報知新聞社