つんく♂プロデュース最新作は“大人向け”絵本「ビビっときた」

引用元:オリコン
つんく♂プロデュース最新作は“大人向け”絵本「ビビっときた」

 アーティスト、音楽プロデューサーとして時代を作ってきたつんく♂(51)。次なる夢はオリジナルの絵本のプロデュースだ。ストーリーもすでに考え、今春にも双葉社から出版される予定。ORICON NEWSでは、そんなつんく♂に文字を打ち込む形式でインタビューを実施。なぜ、絵本を作りたいと思ったのかなどを聞いた。

【写真】パソコンに打ち込む形式でインタビューに応じるつんく♂

■きっかけはEテレへの楽曲提供など「パパ、ママの元気本になれば」

 絵本の構想について、つんく♂は「やはり僕は歌詞を書く仕事なので、絵本といいつつ、ポエムありきなんですが、優しい気持ちになれる本にしたいですね」と明かし、「シリーズ化できるとうれしいです」と笑顔を見せる。

 絵本を制作しようと考えたきっかけは、将来を担う子どもたちへの思い、そしてEテレ『いないいないばあっ!』への楽曲提供だという。「(世間一般の)子どもの未来を考えてたら、絵本も僕のすべきことの一つだなってビビっときた。NHKの『いないいないばあっ!』という子ども向け番組で曲を書いた。絵心がなくて、自分が絵を書こうという発想はできない。だからこそ、文字を読めない小さい子に、どう伝えようかなと思った」と苦悩を明かした。

 内容も、ただ単に子どもに向けてのものではない。「文字を読めない小さい子へという意識はあった。でも、作っていく段階で主人公の男の子の年齢がグッと上がった。小さい子に読み聞かせする絵本というよりは家族に向けてのメッセージの絵本。実はお父さん、お母さんたちの元気本になれば」と込めたい思いを文字にした。

 続けて「小さい子に向けてメッセージ送るのは難しい。的が絞りきれない。でも、相手するパパやママに投げかけようと思ったら、実は的は絞りやすい。『いないいないばあっ!』に曲を書いているのも実はお父さん、お母さんに向けて作っているのかなと改めて思いましたね」としみじみ振り返った。 つんく♂プロデュース最新作は“大人向け”絵本「ビビっときた」 絵本をプロデュースすることを明かしたつんく♂ (C)ORICON NewS inc.

■オンラインサロン開設 自身の経験伝えるも「僕が教えてもらえる側にもなる」

 昨年12月に「CAMPFIRE Community」で3ヶ月限定のオンラインサロン『つんく♂エンタメ♪サロン~絶対言うたらあかんでぇ~』をスタートさせた。「やってみなきゃ何もわからないなって思ってやってみました。こっちの心を開放させてくれる環境でもあるし、ヒントにもなるし、ファンクラブ的要素もあるけど、のぞかれてる感もある」と実感を語る。

 シャ乱Qやモーニング娘。時代に何をやっていたかなど、自身の経験を交えて語っている。ただ「僕のオンラインサロンでは、ヒントや20年前の成功例を言ってあげることができるけど、未来のことは分からない。聞いた側が、自分なりに変換して時代に変えてくれないとね。サロン内でサブスク論争も巻き起こったけど、世の中的にはさらに5年後が、どうなってるか、誰にも分からないよね」ときっぱりと言い切る。

 「有料なので、みんな結構前のめりで勉強熱心ですね。面白いですよ。僕が教えてもらえる側にもなるし。この前も欅坂46の平手(友梨奈)が、なんで騒がれているのか分からない点を投げかけたら、わーっと返ってきた。『何年前に頭角を現して』とか『欅坂自体が変わっていった』とか」とその面白みを説明した。

 ツイッターやブログとは役割が違うという。「ツイッターを始めたころ『これ、どうなん』って普通に聞いてきたけど、途中ぐらいから書き方によっては『つんく♂がディスってる』になった。もしくは『そんなことも知らないの?』とか。いろいろ書かれると思ったら、だんだん書かなくなるよね。ビビってるとかじゃなくて、めんどくさくなった。昔だったら社会的な出来事やテレビ番組へのツッコミとかも勢いでつぶやいてたけど、最近は書いてる途中で止めることが多くなった」とSNSとの向き合い方の難しさを語る。そして「持ち出し厳禁ルールなのでとオンラインサロンではつぶやく。あくまで非公式やし、まぁエエかなって。文字にすると自分の考え方もまとまるし」とオンラインサロンだからできることを明かした。

 絵本を届けたい人について再び尋ねると「子育てをしている大人って実はなかなか浮かばれない。『子育てやって当たり前』と。もちろんそうなんですけど、昔みたいに“向こう三軒両隣”といった近所付き合いもない。『頑張ってるな~』とか『ちょっと見といて~』みたいな支え合いもない。幼稚園のパパ友、ママ友も、どこかでライバルみたいな感じ。子育てが、どんどん孤立しているような。旦那と嫁はんが顔を見たら口けんかばかりしているような」と子育て環境の現状を憂いた。そして「そういう意味で、僕らができるのは『ようやってんなぁ』と、お互いが称賛し合えるということを言ってあげること。そんな感じになればいいなと思っています。ただ単に“子育て世代にエールを”ではなく、お互いに“称賛し合える関係を”と発信するのが役割かなとおもっている」と胸の内を伝えた。

 つんく♂の届けたいメッセージが、どんな絵本になるのか注目だ。

 また、21日にはインタビュー後編を公開。つんく♂が思う“令和時代の音楽聴き方”を語るほか、特別アドバイザーに就任した2025年大阪・関西万博地元パビリオンの腹案を聞いている。