サカナクション山口一郎が回答「理不尽とどう立ち向かうべき?」

引用元:TOKYO FM+
サカナクション山口一郎が回答「理不尽とどう立ち向かうべき?」

サカナクションの山口一郎が、TOKYO FMのレギュラー番組に出演。卒業シーズンということで、この春に卒業を迎えるリスナーに向けた質問に答えました。
(TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」内「サカナLOCKS!」3月6日(金)放送分)

Q.『これから音楽で体験して欲しいことは?』

卒業生諸君、サカナクションの山口一郎です。これから皆さんが門出を迎え、社会に出て行く、新しい学校に進む……さまざまな卒業があると思う。そういった中で、これから音楽で体験して欲しいと思うこと、それは……行ったことのない場所に行ってみよう。

自分が行きたいなと思う場所や、ここに行くだろうなって思う所というのは、もう行ったも同然なのよ。自分が行ったことを想像できているわけだから。だから、行ったことないなとか、行くことないだろうなって思う所に一回行ってみると、何これっていう……自分が想像できていない体験ができると思うんですね。そういうのを一歩大人になったときに、一個やってみるだけで、全然変わると思います。

これは、クラブに行け、とかそういうことじゃなくて、普段見なかった映画を見に行ってみるとか、そういうことでもいいと思う。「遊園地とか全然興味がなかったけど、行ってみよう」とか、「ジムとか全然興味ないけど、行ってみようかな」とか、「料理教室に一回体験で行ってみようかな」とか……いろいろあるじゃない。自分が「まさかするわけないよね」っていうことを体験する中で、音楽っていうのはすごく近づきやすいものがあると思う。行ってわかることがあるから、みんなも行く予定じゃなかったり、行くつもりがない所に行ってみるっていうのを、体験してもらいたいと思う。

Q.『理不尽とどう立ち向かうべき?』

これに対して、先生(山口)はこう思う……理不尽と戦わない夜はない。これね、「理不尽だな」って思わない日は1日もないと思え! 「理不尽だな」って思うということは、自分は戦う場所に足を置いているということだから、良いことだと僕は思う。

「無茶苦茶だな」って思うときに、自分の力を発揮できる人間になってほしいと思うよね。あと会社員とかでも、すごく詰められているのを見て、「うわー……可哀想だな……」って思うけど、それにどう耐えるのか、どう乗り越えるのか、悔しいって思う気持ちをどこにぶつけるのかとか、そういうことが大事なのかなと思う。

ただ、理不尽にも限度があるから。自分の命に関わったり、名誉に関わったり、家族に関わったりするようなときには、ちゃんと牙をむくべき人間であってほしいなと思うけどね。そこまで抑える必要はないと思う。その理不尽の意味合いを理解していくっていうのも、大人になる過程なのかと思う。