日テレ「一番遠い親戚さん」の華麗なる家系図にビックリ

日テレ「一番遠い親戚さん」の華麗なる家系図にビックリ

桧山珠美【あれもこれも言わせて】

 あのDAIGOとジョン・レノンが親戚だったとは……。11日に放送された芸能人の親戚をたどる家系図バラエティー「はじめまして! 一番遠い親戚さん」(日本テレビ系)でのことだ。

 この日のゲストはDAIGO、千葉雄大、アンジャッシュ渡部建、壇蜜の4人。それぞれの家系図をひもとき、遠い親戚を探し出すというもの。そのトップバッターがDAIGOだった。竹下登元総理の孫として知られ、華麗なる家系図になると予想していたが、まさかこれほどとは……。

 竹中工務店一族に嫁入りした叔母からつながるのは日産自動車創業者、高島屋創業者、トヨタ自動車創業者、三井財閥、浅野財閥、安田財閥……と財閥・実業家だらけ。その中でたどり着いたのがオノ・ヨーコで、DAIGOとは24親等の間柄。必然的に夫のジョン・レノンも24親等の親戚ということになる。さらには12親等に西郷隆盛、17親等に岩倉具視と歴史上の人物の名が。そしてスタジオには岩倉のやしゃごで知られる有名人が登場。誰が出てくるのかと扉に注目が集まる中、現れたのは加山雄三。DAIGOとは19親等の遠い親戚ということになるのだ。

■千葉雄大は藤田嗣治と11親等

 お次は、千葉雄大。こちらもなかなかすごかった。まず、母のいとこで5親等にあたるのが作家の立松和平。7親等には日本の近代演劇の礎を築いた小山内薫がいる。それだけでも十分だが、さらに“世界に名を馳せる超有名な親戚”として紹介されたのが11親等の画家の藤田嗣治だった。

 ところが、スタジオにいるゲストたちは藤田を知らないのか、写真を見ても「ポカン」。「ピカソと交流があった」というナレーションでようやく藤田のすごさが分かったもよう。下手に知ったかぶりされるよりはマシだが、出演者の教養レベルがお粗末過ぎた。

 その後、児玉源太郎やら木戸孝允の名前が出てきて千葉の遠い親戚さんで出てきたのは加山雄三。千葉とは21親等。つまりDAIGOと千葉は加山を挟んで遠い親戚さん。加山とジョン・レノンも遠い親戚さんになる。

「友達の友達はみな友達だ」じゃないけど、「親戚の親戚はみな親戚だ」って感じ。世間を見渡せば、自分たち家族さえよければいいという身勝手な人間が多過ぎ。それも今や自分たちどころか自分さえよければという自己チューばかり。自分ひとりで大きくなったような顔でエラソーにしている人を見るとウエスタンラリアットの一発もかましたくなるが、そんな人もこういう番組を見れば、人はみんなつながっていると気づくのでは。

 家系図をたどり、時には海外までも取材に行くのは予算も労力もかかるだろうが、その分ほかにはない、いい番組になっている。NHK「ファミリーヒストリー」と勝負!

 ぜひ、レギュラー化を。

(桧山珠美/コラムニスト)