尾上菊之助、キムタクから「多くを学んだ」現場全体を考える意識

引用元:スポーツ報知
尾上菊之助、キムタクから「多くを学んだ」現場全体を考える意識

 尾上菊之助(42)が、東京・国立劇場(小劇場)の3月歌舞伎公演「通し狂言 義経千本桜」(3~26日)で忠信、知盛、権太の3役“完演”に挑む。同演目の通し狂言は珍しく、特に注目されるのが初役で演じる「いがみの権太」。昨年は宮崎駿原作「風の谷のナウシカ」の歌舞伎化を企画し、主演。またドラマ「グランメゾン東京」(TBS系)では料理人を好演して存在を印象づけた。勢いに乗り、攻め続ける菊之助がいま何を考え、どこに進もうとしているのか聞いてみた。

(内野 小百美)

 ドラマ出演も実りの多いものだった。「グランメゾン東京」では木村拓哉(47)演じる主人公、尾花夏樹のライバル、丹後学シェフ役を好演した。

 「ずっと第一線でやってこられた木村さんとの共演は緊張感のある仕事でした」と振り返る。ドラマをけん引する者としてのたたずまい、さりげなさにもひかれた。ある時など、撮影のない木村が早朝に自分の犬を連れ、「散歩しにきた」と立ち寄る感じで姿を見せた。「あれはきっと木村さんの心遣いだったと思う。その場にいたみんなが、一瞬で士気が高まったんですよね」

 木村が現場に台本を持ち込まないのは有名な話。今回も、もちろんそうだった。「いつも完璧に役づくりをされて現場に入ってこられるのが分かった。しかも、隅から隅まで空間の全体に意識が届いておられる。その姿から多くのことを学びました」。芝居以外でも収穫の多い時間となった。 報知新聞社