そのまんまの“西川貴教”を起用し話題 朝ドラとアーティストの共犯関係とは

引用元:オリコン
そのまんまの“西川貴教”を起用し話題 朝ドラとアーティストの共犯関係とは

 NHK連続テレビ小説『スカーレット』で、ヒロイン・川原喜美子(戸田恵梨香)に影響を与える世界的芸術家・ジョージ富士川役を好演中の西川貴教。画面でひと際目を引く金髪と奇抜な衣装とコテコテの関西弁、そして芸術にかけるエモすぎる語り口と爆発する作品世界に、ネットでも「西川さんの素か演技かわからない」とハマり役ぶりが話題を呼んでいる。近年、朝ドラではアーティストの飛び道具的なキャスティングが目立っており、専業俳優にはない独特な存在感を発揮しているが、西川貴教もまたその流れに乗って俳優としてたしかな爪痕を残したようだ。

【写真】違和感ない奇抜な衣装と金髪姿で天才芸術家を演じる西川貴教

◆作り込みはせず西川貴教のまま自然に馴染む

 女性陶芸家の草分けとなるヒロイン・喜美子の波乱万丈の生涯を描く『スカーレット』。その喜美子の創作人生に影響を与えるジョージ富士川は第28話(10月31日放送)で初登場し、金髪に真っ赤なタートルネック、そして「自由は不自由やで!」の決めゼリフで強烈なインパクトを残した。以降、登場回数は決して多くないものの、喜美子の転機となるエピソードに深く関わる。そのド派手な佇まいはもちろん、エモーショナルな語り口調や情熱ほとばしる身振り手振りとインパクトが強いだけに、演じる側のパーソナリティがうまくハマってこそ成立する役どころだが、「演技に違和感ない」「お芝居か地かわからない自然な演技」とネットでの評判は上々だ。

 また、「セリフがないところでも伝わる演技がいい」「表情だけで心情を読ませる演技がいい」「正直こんなに演技に対して絶賛することになると思わなかった」と演技の面でも高い評価を得ている。これまでも舞台を中心に俳優としても活躍してきた西川だが、テレビドラマへの出演は『おくさまは18歳』(2011年3月/フジテレビTWO)以来の約8年ぶり。多くの視聴者にとって西川といえばT.M.Revolution(=アーティスト)だっただけに、本作は俳優・西川貴教の印象を強烈に残したことは間違いない。

 1996年にT.M.Revolutionとしての活動を開始した西川は、6thシングル「WHITE BREATH」(1997年10月発売)で週間アルバムランキング初の1位を獲得。同年『第48回NHK紅白歌合戦』に初出場を果たす。以降、アーティストとして第一線で活躍する一方で、起業家としての顔も持つほか、バラエティ番組での「オモシロ兄さん」的なポジション、さらにはNHK Eテレ『天才テレビくんYOU』でマーヴェラス西川として筋肉ムキムキの姿を披露し、子どもたちの人気者となった。アーティストを軸にマルチな活躍を続けてきた西川だが、『スカーレット』への出演は俳優としての存在感をより広い層にアピールする機会となったはずだ。