里見香奈女流名人、連勝微差で勝負ついた…福崎文吾九段が見た

引用元:スポーツ報知
里見香奈女流名人、連勝微差で勝負ついた…福崎文吾九段が見た

 将棋の第46期岡田美術館杯女流名人戦5番勝負の第2局(主催=報知新聞社・日本将棋連盟、出雲市、特別協賛=(株)ユニバーサルエンターテインメント)が26日、島根県出雲市の「出雲文化伝統館 松籟亭」で行われ、先手の里見香奈女流名人(27)=清麗、女流王位、倉敷藤花=が113手で挑戦者の谷口由紀女流三段(26)に勝ち、2連勝で防衛に王手をかけた。穴熊の堅陣を敷き、一瞬のスキから攻撃に転じて後手陣を切り裂いた。大盤解説を務めた福崎文吾九段(60)が見た。

 えっ? ボクが穴熊の名手だって? ホメても何も持ってないよ~。でも、里見さんは穴熊のツボを心得ているな~と思いましたよ。

 微差なんです。微差で勝負がつくから大変。谷口さんは66手目、単に△6四角と打った局面は△4六銀▲同銀から△6四角とした方が先手陣を乱せていましたね。あとは80手目△4一飛は、あえて△8一飛と隠居させた方が荷物にならなかったです。

 谷口さんは本来、踏み込みのいい将棋ですから澄み切った気持ちでストライクかガーターか切り込んだ方がいいように思います。第3局が楽しみですね~。

 里見さんの将棋には青春の全てを懸けた覚悟や苦労が生きているように感じます。ボク、ずいぶん年上ですけど里見さんのストイックさを尊敬してるんですよ。しかし、今から里見門下に入門するわけにもいきません。「頑張ってね」なんて先輩風を吹かすしかないけど「お前もな!」なんて言われないかな~(笑い)。

 ◆福崎 文吾(ふくさき・ぶんご)1959年12月6日、大阪府守口市生まれ。60歳。78年、四段(棋士)昇段。86年、初タイトルの十段を奪取。91年、王座獲得。振り飛車穴熊の使い手で異名は「妖刀」。

 ◆大盤解説会で福崎九段&藤井女流1級がおやつ食リポ

 対局場の敷地内での大盤解説会では、沖縄や宮城からの来場者も含む約220人が盤上に注目した。解説・福崎文吾九段(60)と聞き手・藤井奈々女流1級(21)は、対局者の午後のおやつに提供された「ルビーのいちごDAIFUKU」の“食リポ”にも挑戦。京都出身で「『京都の人には裏がある』といわれますが、それはおばあちゃん世代まで」という藤井女流1級は「すごくキレイだし、おいしかった」と素直に笑顔。福崎九段も「これは相当、高いものでしょ? 国会議員とかが食べていそう」と高級和菓子に舌鼓を打った。 報知新聞社