TV業界「復帰か」とザワついた 島田紳助YouTube出演の真相

TV業界「復帰か」とザワついた 島田紳助YouTube出演の真相

 元タレントの島田紳助氏(63)が13日にYouTubeに登場したことで、「すわっ、芸能界復帰か」と今もテレビ業界がザワついている。

 紳助氏が8年5カ月ぶりに公の場に姿を現したのは、かつて彼がプロデュースした「クイズ!ヘキサゴンⅡ」の出演者だったmisono(35)の「misonoチャンネル」。野球帽を目深にかぶり、無精ひげ姿で画面に登場した。

 この日から遡ること2日前の11日、紳助氏はやはり「ヘキサゴンファミリー」のメンバーだった山田親太朗(33)と近況報告を兼ねて大阪市内のバーで酒を飲むことになっていた。その時、偶然、山田の携帯に電話がかかってきた相手がmisonoだったという。

■misonoの窮地を知り「マジか…」と…

〈どうやねん、最近のmisonoは。(旦那と)うまくいってんのか?〉

 こう紳助氏が山田に語り掛けたことが、その後のYouTube出演につながった。

 山田は紳助氏の質問に対し慎重に言葉を選びながら彼女の近況について、次のように伝えたという。

①misonoは2018年9月13日にロックバンド「HighsidE(ハイサイド)」のドラム・Nosuke(30)と入籍した。

②Nosukeはこの入籍から2カ月後の11月17日に「精巣がんによる胚細胞腫瘍」のため、左睾丸摘出手術を受けた。

③18年10月31日付でmisonoは16年間にわたりマネジメント契約を結んできた「エイベックス・マネジメント」と専属契約を終了し、次のマネジメント先が決まっていない。さらに、misono自身も深刻なメニエール病で通院生活を余儀なくされている。

 これを聞いた紳助氏は思わず「収入はどうしてん?」と顔を曇らせながら山田に聞き返し、山田は「(経済的に)困っているみたいだから、少しでも医療費の足しになればと思い、友達からカンパを募って30万円ほどmisonoに渡しました」と報告したという。すると紳助氏は「マジか……」と天を仰いだという。

■あくまで夫妻のサポート

 こうして11日に急きょ実現したのが紳助氏とmisonoの久々の再会だった。この席には闘病生活を続けるNosukeも同席したという。たまたまmisonoもNosukeも近場にいたのだという。

 紳助氏は「いいやつじゃん、misonoにはもったいないんちゃう?」と初対面にもかかわらずNosukeをべた褒めし、事前にmisono夫妻の窮状を聞いていた紳助は「少しでもmisonoの力になるなら」という思いでYouTubeの出演を決めたという。出演直前には「良かったゎ(数日前に)髪切っといて……」と半ば冗談とも思える言葉を漏らしたそうだ。これが紳助氏のYouTube出演の顛末だが、当然のごとく、複数のマスコミは彼の携帯に「芸能界に復帰するんですか」と問い合わせたという。しかし、紳助氏は「どこから聞いたん?」とお茶を濁し、最終的に親しい芸能リポーターを通じて「いつもと同じや。お気持ちはありがたいですが、復帰はありません」と語ったそうだ。

 今回の紳助氏のYouTube出演はあくまでも窮地にあるmisono夫妻のサポートが目的だったようだ。この日の「misonoチャンネル」の再生回数は480万回を超えた。相次ぐ規約変更もあって、一概には言えないが、一般的に1再生当たり0.02~0.04円程度がチャンネル側の収入になるとされている。紳助は単純計算で20万円弱の“カンパ”の協力をしたことになる。お金だけでなく、misonoは瞬時に日本中の注目を集めることもできた。

 もっとも、目的を達成した紳助氏が芸能界に復帰することはない。15日にABCテレビの山本晋也社長が紳助氏のM-1グランプリの審査員の起用について「考えていない」とわざわざコメントしたのも、復帰待望論を打ち消す狙いがあったのだろう。

(芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄)