『恋する小惑星』で主人公、木ノ幡みらを演じる高柳知葉が作品やキャラクターの魅力を語る【インタビュー】

『恋する小惑星』で主人公、木ノ幡みらを演じる高柳知葉が作品やキャラクターの魅力を語る【インタビュー】

 『恋する小惑星』で木ノ幡みらを演じる高柳知葉がメガミマガジン2020年2月号に登場。キャラクターや、作品の魅力について語っている。「超!アニメディア」では、本誌で紹介できなかった部分も含めた、ロングインタビューをお届け。かわいくしようとしすぎずギャグシーンでは振り切って

――『恋する小惑星』という作品の第一印象を教えてください。

 オーディション原稿に、原作の4コママンガが使われていたのですが、第一印象はシンプルに「かわいい!」でした。実際に読んでみると、かわいさや日常のわちゃわちゃした感じもいいなと思いましたし、天体のことや地学のことがとてもていねいに書かれていて、読んでいるだけで自然と勉強になるんです。ギャグとまじめなシーンのメリハリもあって、いままでにあまり接したことのないタイプの作品だなと思いました。

――オーディション時点で、キャラクターについての印象はどうでしたか?

 私はスタジオオーディションのときは、みらの幼なじみ・すず(鈴矢萌)を受けていて、そこで「みらも」とお話をいただいたんです。すずはかわいい女の子が好きという、自分と似たところがあって共感を覚えたんですが、みらとはあまり似ていなくて。みらはまっすぐで素直だし、自分の夢に向かって一直線。私は「現実的には無理でしょう」と斜に構えてしまう部分もあったので、その純粋さがとてもまぶしいなと思いました。良くも悪くも空気を読まない、読めないタイプなので、空気が重くなったときには、パッとその場を明るくしてくれる。本当にいい子だなと感じました。

――みらは、時々地学部のメンバーに鋭いツッコミを入れますよね。

 そうなんです。でも、みらのツッコミには邪念がない。素直な疑問をそのまま口にしているだけなので、仮に相手が図星を指されたとしても、みらのことを嫌いになれないんだと思うんです。まさに、愛される主人公、地学部のムードメーカーだと思っています。

――そんなみらを演じるときに心がけていることは?

 みらのようなかわいいキャラクターを演じるときに、声を作り過ぎちゃう傾向があるんですね。でも、オーディションのときから「自然な感じの声で」と指示をいただいていたので、今でも「自然にかわいく」「あざとくならないように」ということは意識しています。それから、ギャグシーンでは、あえて濁点が多めの声になってもいいのかなと思いながら演じています。みらは表情変化がはっきりしていて、気持ちの出し方もストレートなので、かわいいところは自然にかわいく、ギャグシーンでは思いっきり振り切ったほうが、彼女らしさを感じていただけると思っているんです。

――スタッフの方からは、ほかにどんな指示がありますか?

 たまに、ツッコミを入れた声にちょっと毒が入ったりしたときには、「みらはそうは言わないと思います」と指示をいただきます。みらは相手を傷つけようと思ってツッコんでいるわけではないので、私の感情がこぼれてしまわないようにがんばっています。

――地学部が舞台ということで、専門用語もたくさん登場します。

 専門用語には、みんなで苦戦していることが多いですね。地質のほうは学校の授業で聞いたことのある言葉もあるのですが、星の名前は人生で初めて聞く言葉も多いので、毎回わからないことがあるとみんなで調べます。ただ、天体に関しては(真中)あお、地質に関しては桜先輩(桜井美景)が詳しいという設定なので、あお役の山口愛さんや桜先輩役の東山奈央さんはいつも大変そうだなと思って見ています。

――みらにも天体について説明するシーンがありますよね。

 そこは……とにかく得意げじゃないといけないので、噛まないように! と思いながら気合いを入れています。

――みらに共感できるところはありますか?

 みらはあおとの約束がきっかけで、天体について勉強し、地学部に入ってからは地質についてくわしい先輩たちと接して、どんどん地質にも興味を持ち積極的に学んでいこうとする。私も自分が興味を持ったことには、とことんハマって調べまくるので、そういう熱量は似ているかもしれません。

――みらと関わる機会の多いあおや、すずに対する印象は?

 あおは不器用なところがすごくかわいくて、守りたくなります。考えていることはたくさんあるけれど、言葉になかなかできないみたいで、みらの言うことに同意するときに何も言わずに全力でうなずいている姿がキュートで。それでいて、天体の話になるとすごく口数が増える。そのギャップが魅力的です。すずちゃんは地学部ではないし、みらと幼なじみということ以外、ほかのメンバーとは接点があまりないはずなのに、そのコミュニケーション力の高さで、地学部の面々とすぐに仲良くなれるところがすごいですね。ある種、輪を離れたところにいるからこそ、客観的に地学部を見て、ひとりひとりの関係をつないでくれるポジションにいるのかなと思っています。

――すずは、みらに近づく男の子に嫌がらせをしていたようですが、だからといってみらを誰にも渡さないという態度を取るわけでもないんですよね。

 そこまでベタベタしているわけでもないので、みらに何を求めているのか不思議な部分はありますね。最近は、かわいい女の子なら誰でもいいんじゃないかとすら思えてきています(笑)。

――ほかにみらを取り巻く人々の中で、気になる人はいますか?

 遠藤(幸)先生です。先生も高校生の頃から天体に興味を持っていたらしく、みらやあおの気持ちをすごくわかってくれるんです。普段はひょうひょうとしているので、過去にどんな出来事があって天体に興味を持つようになったのかが気になります。深掘りしたエピソードを見てみたいです。

――アフレコ現場の雰囲気は?

 女性がキャストのほぼ9割を占めていることが多くて、まさに地学部の部室のようなアットホームな空気感が流れています。地層に見えるバームクーヘンのように、作品に関連のあるお菓子の差し入れなどもあって、食べながらお茶会みたいになることも多いです。最初のアフレコのときに先輩方がすごく素敵な空気を作ってくださり、回が進むにつれてキャラクターも増えてどんどんにぎやかになっていくので、とても楽しい現場です。

――冒頭の見どころを教えてください。

 スタッフの皆さんは、ロケハンに行かれたそうで、星空の描写にもすごくこだわってくださっているんです。アフレコのときも、いつ、どこの空が描かれるのかがわかるメモが見えたりして、それだけでもすごく感動します。ですから、オンエアが始まったら、背景描写と音楽の美しさを堪能していただきたいです。そして、キャラクターたちの会話で、地学部のわちゃわちゃした雰囲気に癒されていただければと思います。

Profile
たかやなぎ・ともよ/10月14日生まれ。千葉県出身。プロ・フィット所属。主な出演作は、『まちカドまぞく』陽夏木ミカン役、『Re:ステージ! ドリームデイズ♪』南風野朱莉役など。 野下奈生(アイプランニング)