豊洲初セリ・マグロつないだ辰兄魂 1番マグロ1億9320万円落札「すしざんまい」木村社長が明かした交遊秘話

引用元:東スポWeb
豊洲初セリ・マグロつないだ辰兄魂 1番マグロ1億9320万円落札「すしざんまい」木村社長が明かした交遊秘話

 辰ちゃんに食べてもらいたかった――。昨年5月の令和改元後、初となる新年初競りが5日早朝に東京・豊洲の中央卸売市場で行われた。注目の「1番マグロ」は青森県大間産クロマグロ(本マグロ)276キロで、1億9320万円の値がついた。競り落としたのは昨年に引き続き、すしチェーン「すしざんまい」を展開する喜代村(東京都)。昨年12月に亡くなった俳優の梅宮辰夫さん(享年81)と交流のあった同社の木村清社長(67)は天を見上げながら故人をしのんだ。

 記念すべき令和最初の初競り。注目は何といっても、クロマグロ(本マグロ)だ。

「1番マグロ」は縁起物として扱われ、とんでもないご祝儀価格となる。今年もまた最高ブランドの青森県大間産のクロマグロ276キロが1番マグロとなり、1億9320万円(1キロ当たり70万円)の値が付いた。

 落札したのは、おなじみ、「すしざんまい」の木村社長。築地(中央区)から豊洲(江東区)に市場が移った昨年は大間産クロマグロ278キロを3億3360万円で落札したが、市場関係者いわく「あれは異常な価格。1キロ当たり120万円で、採算度外視。木村氏も想定外の高値だった」。

 今年は昨年には及ばなかったものの、それでも史上2位の高額落札。マグロ1本が分譲タワーマンションをしのぐ約2億円なのだから、想像を絶する世界だ。

 この日は海外メディアも取材に訪れていたが、一様に「クレージー」と口あんぐり。番組のロケで豊洲市場に来ていた「TOKIO」のリーダー・城島茂(49)も絶句するしかない。

 落札後、木村氏は「一番いいやつを(競り)落とせた。正月だけでも気分が良いのに、令和初だからね。うれしいね。よかった」と安堵の表情。

 19年前の2001年に最高値2020万円だった“1番マグロ”が、いまや億超えが当たり前になっている。これには「高いよね…。(競合相手が)よくもまぁ(価格を)上げてくれるもんだから…」と本音ものぞかせたが「日本を元気にしたい。おいしいマグロをたくさん食べてもらいたい」と言い切った。

 令和最初の1番マグロは譲れない――。

 関係者によれば、木村氏は競り前に「100億円でも買う」と冗談交じりに話していたというが、その裏には昨年12月に亡くなった梅宮さんの存在もあった。

 2人は20年近く前から親交があり、01年に「すしざんまい本店」を築地に開業した際「オープンして一番最初に来てくれたのが辰ちゃんだった。すごくうれしかった」(木村氏)という。

 17年1月に亡くなった俳優・松方弘樹さん(享年74)を紹介してくれたのも梅宮さん。木村氏は「共通点はみんなマグロが大好きなこと。だから、一番いいマグロを自分が落とさないとダメ」と信念を明かした上で「松方さんに続いて、辰ちゃんも亡くなっちゃった。悲しい。今年の1番マグロをぜひ食べてもらいたかった…」と述べ、空を見上げた。

 落札した1番マグロはその後、本店でスピード解体された。採算を考えるならすし1貫1万円以上で提供しなければならないが、同社は例年通常価格で振る舞っている。

 この辺り、梅宮さんや松方さんのイズムを継承しているのかもしれない――。