市川海老蔵名義で最後の正月公演「勸玄も最後かも」

引用元:日刊スポーツ
市川海老蔵名義で最後の正月公演「勸玄も最後かも」

5月に13代目市川團十郎白猿を襲名する市川海老蔵(42)が座頭の東京・新橋演舞場「初春歌舞伎公演」が3日、初日を迎えた。

【写真】新橋演舞場「初春歌舞伎公演」の夜の部「め組の喧嘩」に出演した市川海老蔵と堀越勸玄君

海老蔵の名前での正月公演は最後。新作に初役、親子共演という華やかな構成で、襲名という節目の年の幕が開いた。

昼の部には秋元康氏が作、演出の新作歌舞伎「NINJA KABUKI 雪蛍恋乃滝(ゆきぼたるこいのたき)」が初披露された。忍者をテーマに、忠義と愛が描かれた。海老蔵は「さまざまなことをプロデュース、演出してこられた秋元さんならではの歌舞伎に期待していますし、私としても挑戦です」とコメントを寄せており、主人公の忍者、稲妻の繊細な心情を表現し、キレのある立ち回りを見せた。

忍者好きという長男堀越勸玄君(6)は、幼少の稲妻役で冒頭に出演し、炎を操る忍術を見せた。2人には「成田屋!」の声と大きな拍手が送られた。

秋元氏も客席で見守り、幕が下りると大きな拍手をした。秋元氏は「忠義を重んじる忍者の不器用な生き方が、今の時代に欠けている何かを思い出せてくれるような気がした。何十年後、何百年後にも残っているような演目になれば」と期待を寄せている。

海老蔵と勸玄君は、夜の部「め組の喧嘩」にも出演、親子を演じ、細やかな情愛のやりとりを見せた。勸玄君も5月に8代目市川新之助としての初舞台を踏むため、海老蔵はこの日のブログに「勸玄としても最後の舞台かもですね」と感慨をつづった。

海老蔵は、昼の部ではほかに「御存鈴ケ森」で幡随院長兵衛に初めて挑み、夜の部では長女市川ぼたん(8)と舞踊劇「雪月花三景」で共演。千秋楽は24日で、25日の昼、夜の部で追加公演が行われる。【小林千穂】