ユーミン紅白出場は朝ドラ主題歌が伏線

引用元:中日スポーツ
ユーミン紅白出場は朝ドラ主題歌が伏線

 松任谷由実(65)は、ラグビーW杯でベスト8に勝ち進み、列島を熱狂させた日本代表をゲストに迎え、「ノーサイド」を歌う。試合終了を意味するラグビー用語。発売された35年前と2019年がいかに溶け合うか。心待ちにしている往年のファンも多いだろう。

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 デビューは1972年。70年代はザ・ピーナッツ、郷ひろみ、山口百恵、キャンディーズら歌謡曲全盛の時代。「アイドルたちはゴールデンタイムのテレビの歌番組に出演し、レコード販売につなげました」と紅白に詳しい社会学者の太田省一氏。この間、テレビに距離を置いたユーミンらニューミュージックやフォーク、ロック歌手らはコンサート、レコードで音楽性が認められ、注目を浴びるようになってきた。

 ユーミン同様、吉田拓郎や井上陽水もテレビ、紅白を必要としない活動を定着させた。1980 、90 年代ごろには「NHK側は出演をオファーしていたのでは」と太田氏は推測する。

 満を持した2005年のユーミン初出場は「朝ドラが伏線にある」と太田氏。「春よ、来い」(1994 – 95 年)で主題歌を手掛けたのは「テレビ参戦の意思表示だった」と見ている。初出場では、その年の愛・地球博のコンサートと同様、アジアの歌手と共演した。朝ドラ主題歌から紅白につながった歌手には椎名林檎、宇多田ヒカルらがいる。しかし、今年の朝ドラ「なつぞら」のオープニング曲を手掛けたスピッツには、NHKは30 日、白旗をあげた。

 ユーミンは東日本大震災後の2011 年にも出場し、「春よ、来い」を歌った。3 回目の18 年は「ひこうき雲」「やさしさに包まれたなら」のメドレー。今回は特別企画としての出場となる。