【新作BDを特典で極める!】『ロケットマン』伝説的アーティストの半生を描いた創造性あふれるバックステージ

引用元:Movie Walker
【新作BDを特典で極める!】『ロケットマン』伝説的アーティストの半生を描いた創造性あふれるバックステージ

グラミー賞を5度受賞した世界的シンガー・ソングライター、エルトン・ジョン。「普通の人の一生分を経験した」と製作総指揮を務めたエルトン自身が語る70~90年代を中心に、彼の半生をファンタジーを織り交ぜた映像でつづる伝記ミュージカルがこの『ロケットマン』だ。監督は『ボヘミアン・ラプソディ』の仕上げに携わったデクスター・フレッチャー。主演のタロン・エガートンが圧倒的な歌唱力を披露する。

【写真を見る】エルトンは、マネージャーで後に恋人となるジョンと出会い、束の間の幸せを得る

特典では「自分の人生を実際より、派手で幻想的に描いてほしい」というエルトンの願いに応えたキャスト&スタッフの、舞台裏での奮闘が明らかになる!

■ 未公開シーンにはエルトンのほろ苦い失敗談も

未公開シーンは全10種を収録。音楽院に通う若きエルトンが、クラシック音楽界でその才能を発揮してほしいと願う教師と袂を分かつ『愛しのロックンロール』や、パートナーのジョン(ジョン・マッデン)から同性愛者は珍しい存在ではないと諭され、家族へのカミング・アウトを要求される『マザコンの隠れゲイ』など、エルトンの人生のターニング・ポイントともいえるエピソードが満載だ。

『アラベラ』『ガスオーブンの中のエルトン』では、音楽活動に専念するため、実家を出てバーニーと新しく部屋を借りたエルトンの、ほろ苦い出来事が描かれる。女家主アラベラ(オフィリア・ラヴィボンド)にひと目惚れされたエルトンは、家賃を免除されるも、彼女の熱烈なアプローチに辟易。うっかり「好きじゃない」とこぼし、激怒した彼女に大切な鍵盤を壊されてしまう。『血液検査』では、HIV/エイズに関する慈善活動にエルトンが向き合うようになったきっかけが明かされる。

■ ド派手な世界をつくった監督の熱意

特典『パワー全開:名曲の新たな表現』で監督は「エキサイティングな要素をどうブレンドしたら感動を与えるか」を熟考したと明かす。序盤の群舞シーン「あばずれさんのお帰り」で、7歳の少年が“性悪“と歌うインパクト大のアイデアをひらめいた彼は、『ステップフォード・ワイフ』(’75)を意識した踊りに、ミュージカル『ウエスト・サイド物語』のようなカラフルな衣装をミックス。また、エルトンがリードと歌う「ホンキー・キャット」はMGM映画を連想させ、「成金趣味を表現した」という。

■ タロン・エガートンの強烈パフォーマンスの舞台裏

見た目も歌声もエルトン・ジョンに成り切ったエガートン。その再現度に、エルトン本人が「自分自身を見てる気がした」と驚いたほどだ。本人絶賛の演技を見せたエガートンだが、『エルトン・ジョンになるまで:タロン・エガートンの変貌』で「エルトン・ジョンを演じるなんて無理だ」とプレッシャーを感じていたとこぼす。しかし、演じていくうちに楽しさを感じるようになり、エルトンのトレード・マークである奇抜な衣装を着ていると「解放感があった」と語る。

特典『生まれ変わる名曲たち:スタジオ・セッション』では、エガートンがいかにしてその歌唱力に磨きをかけたのかが判明する。監督から「エルトンのマネはするな」とアドバイスされたエガートンは、自分なりの解釈を歌声に反映させるべく人生初のレコーディングに奮闘。しかし、さまざまなテクニックや知識が不足していることを痛感したという。そんな彼を支えたのが、音楽プロデューサーのジャイルズ・マーティン。ザ・ビートルズの楽曲製作に深く関わったジョージ・マーティンを父にもち、エルトンからの信頼も厚いジャイルズの指導を受け、音やリズムの使い方を学んだエガートンは、「ほんの少し修正するだけで声の存在感が増した」と、歌の上達を実感。そして、「『僕の瞳に小さな太陽』は優秀な歌手が何人もカバーしたが、彼は誰よりもうまく歌いこなしていた」と、エルトンから称えられるほどの成長を遂げた。

(Movie Walker・文/サードアイ【DVD&動画配信でーた編集部】)