テレ朝「報ステ」で大量派遣切りの異常事態…年の瀬に非情な“解雇”通告【スクープ】

テレ朝「報ステ」で大量派遣切りの異常事態…年の瀬に非情な“解雇”通告【スクープ】

 テレビ朝日系の看板番組「報道ステーション」で働く派遣スタッフが、大量に“解雇”通告されたことが日刊ゲンダイの調べで分かった。対象は10年以上の長きにわたって番組を支えてきた中核メンバーがほとんどで、10人以上が一斉に契約終了という異常事態。報ステに一体、何が起きているのか。

 テレビ局の報道番組は、いまや社員より外部プロダクションからの派遣契約スタッフが中心になって制作されている。報ステも例外ではなく、主軸は契約スタッフで、そのうちの約2割にあたる10人強について先週、それぞれの派遣元の会社がテレ朝側から、「来年3月末限りで契約更新しない」と言い渡された。

 その旨は、先週金曜(20日)の番組終了後の反省会で他のスタッフらにも知らされ、テレ朝幹部が「社員の人事異動に伴い、スタッフで長い方も番組を卒業することになりました」と言うと、その場に衝撃が走ったという。

 10年以上継続して報ステに携わってきたスタッフは一律で契約終了。能力の高い優秀な人ばかりで、2004年の番組スタート時からの人も含まれるという。

 テレ朝側は「他の番組を紹介する」とは言っているものの、先のことは分からない。30代後半~40代、家族持ちもいて、年の瀬の非情なクビ通告に、ショックと不安で休んでしまった人もいるという。

■報道機関が“下請けイジメ”の唖然

 通告を受けた2人に話が聞けた。

「自分の希望で番組を替わることや、番組自体が終了するので交代ということはあっても、長く勤めているからという理由で十何人もまとめて一度に契約終了という話は初めてです。納得できません」

「政治や社会問題を伝える側である報道番組がこんな卑劣なやり方で契約を打ち切る。あってはならないことだし、許せない。悔しくて眠れないほどです。3年前に古舘キャスターが降板し、新体制になった際、テレ朝側から『辞めないで続けてほしい』と言われ、懸命に支えてきたのに、残念でなりません」

 突然の中核メンバーのクビ切りに、残るスタッフからは「テレ朝は番組を潰そうとしているのか」「報道色をなくそうとしているのか」との疑念も上がる。背景には、「プロデューサーのセクハラなどで悪化したイメージを人心一新で刷新」というスポンサー対策も見え隠れする。派遣スタッフはそのとばっちりを受けた形だ。

 テレビ朝日の広報部は23日、日刊ゲンダイの取材に対し、今回の派遣切りの事実を認めたうえで、番組リニューアルに伴うものだと説明した。弱い立場の“下請けイジメ”。いまどき、上場会社である報道機関がやることなのか。