山寺宏一、実写『シティーハンター』冴羽リョウ役受託秘話 神谷明が直談判「やりなよ」

引用元:オリコン
山寺宏一、実写『シティーハンター』冴羽リョウ役受託秘話 神谷明が直談判「やりなよ」

 声優の山寺宏一、神谷明、伊倉一恵が23日、都内で行われたフランスの実写映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』の応援上映の舞台あいさつに登場した。

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 同作は、1985年に『週刊少年ジャンプ』で連載がスタートした北条司氏の不朽の名作漫画『シティーハンター』をフランスで実写映画化されたもの。フランスで今年2月に公開されると168万人を動員し社会現象となった話題作で、11月29日に日本でデラックス吹き替え版として公開されていた。

 映画の主人公・冴羽リョウ役(※リョウの漢字はけものへんに寮)はフランスの俳優のフィリップ・ラショー。87年にスタートしたアニメ版では、リョウ役を神谷明、槇村香役を伊倉一恵が長年務めているが、今回の実写映画・日本語版吹替では、リョウ役を山寺、香を沢城みゆきが担当していた。

 山寺は声優デビュー当時にアニメ『シティーハンター』の番組レギュラーを担当した過去がある。「山ちゃんとステージで、皆さんとしっかり話すのは初めて。光栄です」と神谷が水を向けると山寺は「恐縮です…」と平身低頭。「大先輩2人に囲まれて、きょうこの場に立てるとは。30何年前に冴羽リョウに、いつもやられていた自分に言ってあげたい」と感慨を語っていた。

 神谷と山寺は腰を据えて会話する機会は少なかったという。それが今年に公開されたアニメーション映画『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』の打ち上げで同席。その席で神谷は山寺に実写版の吹替担当を「やりなよ」と後押ししていた。山寺自身は「お断りするつもりだった。神谷さんがやらなきゃダメだと。説得しようと思っていた」と振り返る。神谷は「僕は逆にお願いしようと思っていた。先輩だから僕が先に口を切ったので勝っちゃった」としてやったりの表情で「よかったと思います」と自身の決断に間違いはなかったと断言していた。

 そして神谷は改めて「素晴らしいリョウと香だったと思います」と絶賛。すると山寺は「僕は神谷さんと伊倉さんのヤツを聞いてみたかったです。ほんとに」と本音がチラリ。会場から「わかる~」と声が上がると山寺は「その声は僕にとって微妙ですけどね…」と苦笑いを浮かべていた。

 また、同映画で“やられ役”を担当している神谷。「北斗の拳をやっているときに、やられたかった。(ザコキャラも担当した)千葉(繁)くんたちが楽しそうでさ~」と振り返り「やってみて最初はヒヤヒヤしていたんですが、いいやと思って。そしたら心の広い皆さんのおかげで日の目を見た。大変、うれしかった。自分で十分、楽しんでやらせていただきました」ととびきりの笑顔を見せていた。

 最後のあいさつで山寺は「神谷さんに背中を押していただいて、リョウを演じることができました。不安でしょうがなかったんですが、きょうの皆さんを見て本当にやってよかった、頑張ってよかったと思っております」としみじみ。会場から「ありがとう!」「最高!」という声援が止まらず、山寺は「こんなに褒めてもらったことはない」と胸に来るものを口にした。神谷は「今年、アニメ『シティーハンター』と実写版『シティーハンター』と『シティーハンター』に明け暮れた1年でした。きょう、これが今年の最後の仕事なんです。こんなにうれしいことに溢れた年は初めて」とファンに感謝の言葉を並べていた。