フュージョンからカバーまで サックス奏者・渡辺貞夫が贈るクリスマスコンサート

引用元:TOKYO FM+
フュージョンからカバーまで サックス奏者・渡辺貞夫が贈るクリスマスコンサート

12月22日(日)放送のTOKYO FM の特別番組・サンデースペシャル「SHISEIDO presents Christmas Gift vol.27 SADAO WATANABE Down East」。この番組では、12月15日(日)に東京・渋谷Bunkamuraオーチャードホールで開催された、サックス奏者・渡辺貞夫さんのクリスマスコンサートの模様をお届けしました。世界を舞台に活躍するサックスプレイヤー・渡辺貞夫さんによる毎年恒例のクリスマスコンサート「Christmas Gift」の開催は、今年で27回目。貞夫さんの上質な音楽を、毎回さまざまな形で表現しています。

今年のコンサートタイトル「Down East」は、1979年に発売された渡辺貞夫さんのアルバム「モーニング・アイランド」収録曲「ダウン・イースト」から付けられました。貞夫さんが昔読んだ本に書かれていた、“船乗りが東を目指す言葉”をタイトルにしたそうです。

演奏メンバーは、アルトサックスの貞夫さんを中心に、ラッセル・フェランテさん(ピアノ)、養父貴(ようふ・たかし)さん(ギター)、ベン・ウィリアムスさん(ベース)、ピーター・アースキンさん(ドラム)の5名。

フュージョン時代の人気曲から現在の愛奏曲まで、時代を超えたメロディアスなレパートリーを、トップクラスのミュージシャンらと共に新たな解釈で披露。2部構成で19曲、およそ2時間半の演奏で観客を魅了しました。本番組では、このプレミアムなコンサートの模様を55分に凝縮してお届けしました。

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貞夫さんがステージに姿を現すと、会場からは割れんばかりの拍手が。オープニングナンバー「ROUND TRIP」から、心地よいリズムと音色で観客の心を引き込んでいきます。

コンテンポラリージャズ~フュージョン界を牽引するアメリカ発のグループ「イエロージャケッツ」のリーダーとしても活躍しているピアノのラッセルさんと貞夫さんは、1983年ぐらいからの旧知の仲。ベースのベンさんは、2009年発表のアルバム『INTO TOMORROW』や国内外のツアーなどに何度も参加しています。そして、貞夫さんの1980年初期作品に参加しているドラムのピーターさんは、貞夫さんが敬愛するアメリカのジャズ・フュージョングループ「ウェザー・リポート」のドラマーとしても活躍しています。さらに今年は、ギタリストとして養父貴さんが加わりました。

観客たちは、そんな錚々たるメンバーが奏でる音色に聴き入り、あるときはソロパートで惜しみない拍手を送るなど、極上の音楽に酔いしれていました。

休憩をはさみ、2nd setは、未発売曲「SCENERY」からスタート。そして、今回のコンサートタイトル曲「ダウン・イースト」や、1985年リリースの『MAISHA』より「STRAY BIRDS」、1988年リリースのアルバム『ELIS』収録曲「MANHATTAN PAULISTA」、クリスマスソング「Christmas Dream(Sonho De Natal)」などを演奏。温かく包み込むような貞夫さんのサックスの音色が会場に響き渡ります。

コンサートでは、「STRAY BIRDS」の制作秘話を明かす貞夫さん。「昔はよく、仕事場探しで、あちこちのホテルに泊まりました。浜名湖にあるヤマハのホテルに1週間こもったことがあったのですが、なにも作れないときがあって。たまたま最後の日に、湖の空に1羽の鳥が飛んでいるのを見て、曲ができちゃったんです。『STRAY BIRDS』というタイトルを付けました」と教えてくれました。

また、2nd setの最後には、貞夫さんがパーソナリティをつとめたラジオ番組のテーマ曲「My Dear Life」や、喜劇王チャールズ・チャップリンの映画「モダン・タイムス」テーマ曲「SMILE」、東日本大震災の復興支援ソング「花は咲く」を披露。貞夫さんからの一足早いクリスマスプレゼントに、会場は大きな拍手に包まれました。

(TOKYO FM の特別番組・サンデースペシャル「SHISEIDO presents Christmas Gift vol.27 SADAO WATANABE Down East」12月22日(日)放送より)