沢尻エリカの代役 川口春奈の近況とNHK大河“初挑戦”撮影秘話

沢尻エリカの代役 川口春奈の近況とNHK大河“初挑戦”撮影秘話

 沢尻エリカ(33)の降板で混乱が囁かれていた大河ドラマ「麒麟がくる」の近況が少しずつ漏れてきた。

 沢尻の代役を務める川口春奈(24)が演じるのは、主人公・明智光秀(長谷川博己)の主君・斎藤道三(本木雅弘)の娘・帰蝶役(のちの濃姫)。急ピッチで時代劇の所作を身に付け、12月上旬に撮影に合流したそうだ。しかし、美濃地方の方言はなかなか難しく、あの沢尻でも慣れるまでに数カ月を要したといわれる。ところが、川口は専門のトレーナーにマンツーマン指導を受けて何とか収録に間に合わせた。

「川口さんは大変センスのいい女優さんで、短時間のレッスンで美濃弁のコツを体得したようです。本番でも言葉のミスはほとんどありません」(テレビ関係者)

 主演と同格扱いの女優の突然の降板によって、撮影現場は半ばパニック状態に陥ったといわれるが、最終的に「脚本の本筋は基本的に変更せず、帰蝶の出演シーンを大幅に減らす」ことで軌道修正を施す方針が決まったという。そうすることで、NHKは他の役者への負担はもちろん、時代劇初挑戦となる川口のプレッシャーも最低限に抑えることができると踏んだのだろう。そのおかげで、当初は硬い表情でスタジオに入ってきていた川口も今では笑顔を見せることがあるそうだ。また、帰蝶が出演せず編集段階でカットしたシーンを大幅に蘇らせることで「尺合わせ」も行っているという。

■本木雅弘は「頭の中が真っ白」

 そうはいっても、沢尻の降板で大きく負担が増えた役者もいる。大幅な撮り直しを余儀なくされているのは、ドラマで父親役を演じる本木だ。沢尻の降板の知らせを受けたときは「頭の中が真っ白になりました」と親しいスタッフに漏らしている。降板前、沢尻は本木との絡みについてインタビューで「本木さんの目力が凄いんです。本当に頭が混乱して気絶しそうになりました」と語った。それが立場が変わり、今は本木が卒倒しそうな状況に追い込まれている。

「沢尻の降板が決まって、NHKスタッフが最も慌てたのが本木さんのスケジュール問題でした。運良く本木さんにギリギリの時間的な余裕があったことと、ご本人が事件を寛容に受け止めてくれたことで、現場には安堵の空気が流れたと聞いています」(前出のテレビ関係者)

 沢尻と絡んだシーンについても、本木単独のカットについては、その部分をなるべく切り取って使っていく方向のようだ。

 クランクイン直後から撮影を見ている関係者によれば、「当初沢尻さんが演じていたシーンに比べて、川口さんの登場は明らかに減っています。脚本も大幅に手直しされ、帰蝶のドラマにおける立ち位置はかなり軽くなったように感じられます。沢尻さんの降板によってドラマそのもののカラーも変化してしまいました」という。

■“3階級特進”でトップ女優に

 どれだけ演技がうまい役者にも丁寧で厳しい注文をつけるのがNHKのお決まりのパターンだが、今回はそうした光景もなく、淡々と収録が続けられている。

「最初のクランクイン直後は沢尻さんのやる気もあって非常に丁寧に撮影が行われていました。実際、沢尻さんはテークを重ねるたびに演技が磨かれていきました。でも、今は撮影スケジュールに追われて、楽しむ余裕はありません。現場の士気は明らかに落ちています」(ドラマ関係者)

 もっとも、今回、火中の栗を拾った川口には大きな見返りが待っている。

「川口さんが大河ドラマの危機を救ったのは紛れもない事実。近い将来、もっと大きな仕事のキャスティングを手にするのは確実です。用意されるのは朝ドラのヒロインか準主役あたりでしょうか。“3階級特進”で一気にトップ女優に近づいた感じです」(芸能プロ関係者)

 大河出演をきっかけに、少し前に報じられた格闘家とも別れたと聞く。実際、デートを楽しんでいる余裕は、今の川口にはないだろう。

 川口の今後の活躍が見逃せない。

(芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄)