元女子マラソン・有森裕子 オリンピックのマラソン会場変更に「そんなヤワな選手を選んでいない」

引用元:TOKYO FM+
元女子マラソン・有森裕子 オリンピックのマラソン会場変更に「そんなヤワな選手を選んでいない」

プロゴルファーの丸山茂樹がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「英語のアルク presents 丸山茂樹 MOVING SATURDAY」。12月14日(土)の放送は、女子マラソン、オリンピック2大会連続メダリストの有森裕子さんが登場しました。

◆まさかの会場変更に有森さんの見解は?

丸山:2020年東京オリンピックのマラソン会場が変更となりましたが。

有森:アスリートとしては、気候などの条件が悪くなるわけではないので、それは良かったかなと思っています。そして、レースの条件がいいと、戦い方はスピードレースになりがちなんですが、日本の選手の戦い方はスピード寄りではないので、そこに対する懸念は、全体のアスリートにとっては良くなったかなと。

丸山:はい。

有森:ただ、暑さ対策などの条件を良くしたプロセスですね。この時期になって、東京から北海道・札幌と、これだけの内容をいきなり変えたプロセスは全くもっていただけません。

丸山:ちょっと急すぎますよね。

有森:急というか、ありえないです。

丸山:自分は最初から北海道かなと思っていましたよ。日本は猛暑がすごいし、8月って自分がゴルフに誘われても“うわぁ、つらいな……”と思いながら行くくらいなので、試合をやるとなるとどうなっちゃうのかなと思っていたんですよ。だから、僕は最初からもしかしたら北海道での開催もあるのかなと思っていたんですよ。でも、ゴルフは暑さの厳しい埼玉の霞ヶ関カンツリー倶楽部でやりますから。

有森:そこって暑いんですか?

丸山:すごく素晴らしい会場なんですけど、その時期にやるのはとてもタフだと思います。女子マラソンでは、ドーハの世界選手権で棄権した選手が多かったなかでのことなのかなと思ったんですけど。

有森:ドーハではかなり苦情がきたらしいんです。ただ、あれは暑さというより、スタート時間が夜中だったんですよ。海外のほかの選手からしてみれば、そんな時間帯に合わせて生活したことがないから、その辺りに狂いがあっての体調の悪さとか、いろいろな要素があっての棄権だったと思うんです。

丸山:なるほど。

有森:一概に暑さどうこうということだけではないと、現地に行った人たちは言っていて。「暑くて湿度がすごかった」「条件が全く駄目だった」「だからあんなことになった」と言うのは簡単なんですけど、深く掘ればいろいろと出てくる感じです。

丸山:日本代表になられる方たちは、東京でやる予定だったころ、どこを走るとかコースはわかっていたんですか?

有森:あとは新国立競技場ができるだけで。この前の「MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)」は、暑さはゆるかったですけど、シミュレーション的にも9割方同じコースを走っていたので。だから日本の選手にとっては“こんな感じなのね”と終われた大会だったんです。

丸山:それが札幌になって……もうコースは決まったんですか?

有森:まだなんです。

丸山:瀬古利彦さんが、「走るだけじゃなく準備が大事」と言っていましたけど、コースが変わるとトレーニングも変わるなどするのかなと。

有森:やることと準備しなければいけないことは一緒なので。今までの暑さ対策が無駄になったとか、いろいろと情報が出ましたけど、そんなヤワな選手を選んでいないですし、そんなことで話題にしてはいけないと思っています。