主人公は“ゴキブリ”、劇団女体盛りが善悪の種別をテーマに描く新作

主人公は“ゴキブリ”、劇団女体盛りが善悪の種別をテーマに描く新作

劇団女体盛り「ゴキブリ」が、3月11日から15日まで東京都 シアターシャインで上演される。

【写真】劇団女体盛り 第8回公演「ゴキブリ」チラシ表(メディアギャラリー他1件)

本作は、菊池遥が主宰を務める劇団女体盛りにとって約1年3カ月ぶりとなる新作公演。劇中では、普通の家庭に生まれ、至極真面目に生きてきた“僕”の物語が描かれる。上演に際し、菊池は「今作の主人公は人間ではない。タイトルの通り『ゴキブリ』である」「それは、今作のテーマが『善悪の種別』だからである」と述べ、「皆様にはあくまで『ゴキブリ』たちの話として作品を観ていただきたい。そして、感じて欲しい。彼らとあなたたちの違いを」とコメントしている。

出演者には、一刻者の新垣亘平、泉川遥香、小野涼平、齋藤芳隆、もじゃもじゃの永島将伍が名を連ねた。なお本作は、第17回杉並演劇祭の参加作品にラインナップされている。

■ 菊池遥コメント
今作の主人公は人間ではない。
タイトルの通り「ゴキブリ」である。
大多数の人々が嫌悪感を示す、彼らだ。
私自身、彼らは天敵と言っても過言でないほどに苦手な存在である。
今作では資料として彼らの生態を調べるのにかなり苦心し、四苦八苦の状態であった。
そこまでしてなぜ彼らを主人公に宛てがったか。
それは、今作のテーマが「善悪の種別」だからである。

飽きもせず世の中は罪で溢れかえっている。その善悪の判断を誰が出来るのだろう。
人間は、人間を裁けるほど崇高な生き物だと何故言えるか。
その時の状況や社会、誰の視点かによっても善悪は変わる。
この世界には、盗みを働き、人を殺し、倫理に背く人々がいる。
それは紛れもなく「罪」であり、大多数にとっては到底許されない「ルール」に反した行為である。
だが、
それが例えば、誰かのための行為だったら?
子供を飢えさせくない、その一心での親心だったら。
それが例えば、戦時中という背景があったら?
生きるために必要不可欠な手段だったら。
多少なりとも同情の余地がはたらき、善悪の種別が入れ変わる。
人が人を裁くと言うのはあまりにも馬鹿げているのではないだろうか。
だからこそ、今作のテーマには人間を使いたくなかった。
皆様にはあくまで「ゴキブリ」たちの話として作品を観ていただきたい。
そして、感じて欲しい。彼らとあなたたちの違いを。

■ 劇団女体盛り 第8回公演「ゴキブリ」
2020年3月11日(水)~15日(日)
東京都 シアターシャイン

作・演出:菊池遥
出演:新垣亘平、泉川遥香、小野涼平、齋藤芳隆、永島将伍

※作品タイトルの「ゴキブリ」は漢字が正式表記。