【報知映画賞】GACKT、「翔んで埼玉」秘話 今年46歳で高校生役「最初断った。何言ってんだ」

引用元:スポーツ報知
【報知映画賞】GACKT、「翔んで埼玉」秘話 今年46歳で高校生役「最初断った。何言ってんだ」

 埼玉県民をネタにしたコメディーで、社会現象を巻き起こした「翔んで埼玉」。代表して、GACKTが特別賞のブロンズ像を受け取った。「弁当に例えたら、いい梅干しであろうと。そういう気持ちで映画に臨んだけど、まさかこんな結果になるとは」。表彰式序盤、まだ張り詰めた空気漂う会場の空気が和んだ。

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 真っ白なご飯を彩る「弁当の梅干し」。あるとないとでは大違いだ。二階堂ふみ(25)とダブル主演で臨んだ今作。「主役というより、いい脇役でいれたらなと。いい“味”が出せればなというスタンス。作品を引き立てる“おかず”であれたらいいなっていうところで、その役目は果たせたかな」。本業は歌手。慣れない映画賞を終え、今度は自身の緊張を解きほぐすように笑みがこぼれた。

 名門私立高校を舞台に、米国帰りの転入生を演じた。原作・魔夜峰央(まや・みねお)氏のファンだったことで最終的に出演を快諾したものの「最初は断らせていただきました。何を言っているんだと。昔、『バトル・ロワイアル』(00、01年)という映画で山本太郎(現・れいわ新選組代表)が27歳ぐらいで高校生役をやっていて、何をやっているんだと。今年46歳になった。何やってんのかなと」。劇中同様に自虐的に、会場に何度も笑い声を生み出した。

 作品自体、チャレンジだった。「一つ間違うと、いろんなところからたたかれかねない。本当に埼玉を敵に回すんじゃないかと思っていた関係者もいると思う。それをまとめられたのは武内監督の力量だし、関わる出演者の方、すべてのスタッフの力」とチームワークを振り返った。

 自身にとっても挑戦だった。2月に映画公開、4月にソロデビュー20周年を迎えた。「今までは真面目な役ばっかりだった。こういう形でコメディーに参加させてもらえた。そういう意味で、新しいチャレンジができた。今後につながるいいきっかけができたかな」。本業にも弾みの受賞となった。(畑中 祐司)

 ◆GACKT(ガクト)1973年7月4日、沖縄県生まれ。46歳。バンド活動を経て、99年にソロ活動を始動。03年、映画「MOON CHILD」で初演技にしてラルク・アン・シエルのhydeとダブル主演。原作・脚本としても参加した。07年、NHK大河ドラマ「風林火山」で上杉謙信を好演。10年、映画「BUNRAKU」でハリウッドデビュー。06年から毎年、次世代を担う若者の支援として全国各地の中学や高校の卒業式でライブを行う。血液型A。

報知新聞社