笠松将「SEEDAさんの痛みをこの映画に刻んだ」主演映画への想いをラップで披露

引用元:AbemaTIMES
笠松将「SEEDAさんの痛みをこの映画に刻んだ」主演映画への想いをラップで披露

 12月17日、映画『花と雨』の特別試写会が都内で開催され、主演を務める俳優の笠松将、ラップ演技指導を担当したMC・仙人掌、土屋貴史監督が登壇した。

 日本のヒップホップ界で歴史的名盤と言われる、SEEDAのアルバム「花と雨」を原案とする本作。幼少期をロンドンで過ごした主人公の吉田は、閉塞的で村社会的な日本の空気に馴染めないまま高校生活を送っていたが、ある日ヒップホップと出会い、身も心ものめり込んでいく。「現実と理想」「生と死」「アイデンティティの探求」など様々なテーマを通じて、“何者かになりたい”一人の青年が、葛藤しながら成長する姿を描く物語だ。

 トークイベントで笠松は、SEEDAからインスパイアされた主人公・吉田を演じたことについて、「色々難しいところもあったんですけど、この作品から僕が得るものの方が多くて。僕もまたSEEDAファンとして、SEEDAさんが当時何に悩んで、何を大変に思って、何を喜んでというのを知れたこととか、天才でも悩んだり壁があるんだなということを知れて、壁を越えようと思える力になりました」と、しみじみ語った。


笠松将「SEEDAさんの痛みをこの映画に刻んだ」主演映画への想いをラップで披露


土屋貴史監督、笠松将、仙人掌

 本作で初めて長編映画を手がけた土屋監督は、感想を問われると「今度は素直な主演俳優と…」とコメントし会場を笑わせ、笠松は「僕も素直ですから。めちゃくちゃ!」と大慌て。しかし、土屋監督はその後に「でもまた笠松くんと一緒に仕事したいと思っています」と続け、再タッグを希望した。

 また、仙人掌は「笠松さんは勘が良くて、『こういう風にやった方がいいよ』と言うとすぐできる。そういった面では全然大変だったことはなかった」と、ラップ指導をする上での苦労はなかったとしつつ、「笠松さんが自作のラップをバンバン送ってくるので、それをチェックするのが本当に大変でした」とぶっちゃけ。

 すると笠松は、仙人掌から「自分の詞を書いて、自分の想いを歌わなきゃ駄目だ」とのアドバイスを受けて、行ったことだと弁明。さらに「日記みたいなやつなんですけど」と説明するも、仙人掌から「5、6曲分ぐらいあった」と暴露され、タジタジの様子だった。

 イベントの最後に笠松は「何でラッパーじゃなくて僕がラップをするのかとか、ラッパーの方がラップうまいじゃんとか、絶対言われると思うんですよ。でも、僕はSEEDAさんの痛みをこの映画に刻んだ。僕も本当に辛くて、楽しかった」と切り出し、作品への熱い想いをラップに乗せて披露。最後に「感じ方は十人十色だし、今日来てくれた人、これから来てくれる人が好きなように楽しんでくれたら本当に嬉しいし。イメージして全然イージーじゃないけど、このステージで僕は僕なりの美学を提示しただけ」と締めくくると、会場は拍手喝采に包まれた。

 映画『花と雨』は2020年1月17日(金)、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開。