「神の子」開幕、赤堀雅秋「虚無感とか、やるせなさがにじみでていたら」

「神の子」開幕、赤堀雅秋「虚無感とか、やるせなさがにじみでていたら」

コムレイドプロデュース「神の子」が昨日12月15日に東京・本多劇場にて開幕。それに先駆けてフォトセッションが行われたほか、作・演出を手がけ出演もする赤堀雅秋や、キャストの大森南朋、長澤まさみ、でんでん、江口のりこ、石橋静河、田中哲司が取材に応じた。

【写真】コムレイドプロデュース「神の子」囲み取材より。(撮影:引地信彦)(メディアギャラリー他10件)

「神の子」は、赤堀、大森、田中が2016年上演の「同じ夢」以来、約4年ぶりにタッグを組む新作。警備員として働く池田(大森)、五十嵐(田中)、土井(でんでん)は職場はもちろん、行きつけのスナック、趣味のパチンコまで常に行動を共にしている。ある日、田畑(長澤)と斎藤(石橋)に声をかけられた池田は、街頭でのゴミ拾いボランティアに参加することに。すると単調な毎日に変化が起こり始め……。

開幕に際し赤堀は「下北沢の本多劇場という大好きな劇場で、素敵なキャストの皆さんと公演を打てることがとてもぜいたくだなという気持ちと、この上ない幸せをいま痛感しています」とコメント。さらに「舞台の内容としては、どうでもいい些末なエピソードの連続なんですが、その世の中で、なんとなく漂っている虚無感とか、やるせなさがにじみでていたらいいなと思います。気軽に観ていただけたら嬉しいです」と語った。

大森は「人として情けなくてどうしようもない男です。毎日の稽古で、キャスト全員で積み上げてきたものが出せたらと思います」と自身の役を紹介し、「妙な緊張感でソワソワしていますが、がんばります!」と意欲を見せる。

「今自分がいる場所に、ここにいていいのかと迷っている田畑美咲を演じます」と挨拶したのは長澤。「お稽古で赤堀さんから『その時の空気を感じて芝居を』と言っていただきました。毎日変わっていくその空気を感じて、その時の感情で演じたいと思います」と意気込みを述べた。

田中は「この舞台に登場する人物の中で、おそらく僕が一番最低な役だと思います」と切り出し、「あまり細かくは言えないんですが、最低なんです!(笑) 初日が来るのをずっと待ってました。思う存分に楽しみたいです!」と笑顔を見せる。

田中に続き、でんでんは「僕の演じる土井も最低な人間なんですが、自分であることを自分自身で支えているような、そんな弱い人間なんです。それがうまく演じられたらと思います」と話し、「稽古場で若い人たちにまぎれながら、たまにパニックになったり、もがいたりしながら稽古してきました」と稽古を振り返った。

またスナックのママ・林田美保役を演じる江口は「主に警備員3人組とのシーンが多いのですが、先輩方がとても頼もしいので安心感もありつつ、初日の不安もありつつ、今日は楽しもうと思っています」、斎藤役の石橋静河も「そうそうたる先輩方と舞台に立てることがなかなかないので、不安もありますが、今は楽しみな気持ちが強いです」と開幕への期待を語った。

「神の子」の東京公演は12月30日まで行われ、その後、愛知、福岡、広島、大阪、長野、静岡を巡演する。

■ コムレイドプロデュース「神の子」
2019年12月15日(日)~30日(月)
東京都 本多劇場

2020年1月7日(火)~9日(木)
愛知県 ウインクあいち

2020年1月13日(月・祝)
福岡県 福岡国際会議場 メインホール

2020年1月16日(木)
広島県 JMSアステールプラザ 大ホール

2020年1月18日(土)・19日(日)
大阪府 サンケイホールブリーゼ

2020年1月23日(木)
長野県 サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター 大ホール

2020年1月25日(土)・26日(日)
静岡県 浜松市浜北文化センター 大ホール

作・演出:赤堀雅秋
出演:大森南朋、長澤まさみ、でんでん、江口のりこ、石橋静河、永岡佑、川畑和雄、飯田あさと、赤堀雅秋、田中哲司