中条あやみがTSUTAYA新人クリエイター応援、今年の受賞作も発表

引用元:映画ナタリー

TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2019の新作披露会と最終審査会が、本日12月12日に東京・The Okura Tokyoで開催された。

【写真】左から「ゴーストマスター」監督のヤング ポール、キャストの三浦貴大、成海璃子、板垣瑞生。(メディアギャラリー他12件)

カルチュア・エンタテインメントとTSUTAYAが主催する同プログラムは、映像クリエイターと作品企画の発掘、育成を目的としたもの。過去には「嘘を愛する女」や「ルームロンダリング」「ブルーアワーにぶっ飛ばす」「ゴーストマスター」などが誕生している。5年目を迎える今回は「企画部門」「脚本部門」「監督部門」が新設された。

まず新作披露会では、全国で公開中の「ゴーストマスター」より、キャストの三浦貴大、成海璃子、板垣瑞生、監督のヤング ポールからのビデオメッセージを上映。そして2015年に準グランプリに輝いた加藤卓哉が登壇し、新作「裏アカ」を紹介した。加藤は「人には見せられないSNSの裏アカウントを持ってしまった女と男が、欲望に落ちて葛藤する物語」とあらすじを説明し、「主人公は女性です。30代女性の乾き、SNS全盛時代のつながり、それだけでは終わらないもがきを作品のテーマにしています」と述べる。「裏アカ」は2020年公開となり、キャストなどの詳細は後日発表。なお本日、作品の公式Twitterが開設された。

続いて、2017年に審査員特別賞を受賞した「水上のフライト」より、主演の中条あやみ、監督の兼重淳、企画者の土橋章宏が登場。本作では、不慮の事故により下半身麻痺となった遥が、パラカヌーに挑戦するさまが描かれる。遥を演じた中条は「障害をマイナスではなく、個性としてプラスに捉えてがんばっていこうとする役柄でした。台本を読んですごく素敵だな、やってみたいなと思いました」と述懐。最初はカヌーに乗ることすらできなかったという中条だが、兼重は「ものすごく運動神経がよくて。スイスイと乗っていました。現場では中条さん以外、誰も漕げなかったんですよ」と腕前を称賛した。

実際のパラカヌー選手・瀬立モニカから着想を得たという土橋。「例えば海外に行くと、大坂なおみ選手だけではなく、車椅子テニスの世界チャンピオンである『国枝(慎吾)がいるじゃないか』って言われるんですよね。日本ではまだあまり描かれてない価値観というのを、楽しく知ってもらえたらと思います」と本作に込めた思いを語る。また、中条は会場に集まった本年度のファイナリストたちへ「私もカヌーに挑戦する前は、絶対無理だよってあきらめてた部分があったんです。でも自分のことを信じて、まずはチャレンジする楽しさを感じることができたら、できないことってないんだなと思いました」とエールを贈った。「水上のフライト」は2020年に全国で公開される。

そして本年度の受賞作が発表に。グランプリは該当なしという結果になり、審査員特別賞がそれぞれの部門で選ばれた。企画部門では野村東可の「▽サンカク ─女は、愛を、くっつけた─(仮題)」、脚本部門では室井孝介の「658km 陽子の旅(仮題)」、監督部門ではJo Motoyoの「ヨンチンの成長日記(仮題)」が受賞。特別審査員を務めた寺島しのぶは「白熱した話し合いになりました。情熱さえあればきっと映画は作れると、私は信じています。これから歴史に残る日本映画が、たくさん世界に出ていくことを演技者として楽しみにしています」とメッセージを送った。なお、審査員特別賞に輝いた3作品はいずれも映像化される予定だ。

■ TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2019
□ グランプリ
該当なし

□ 企画部門 審査員特別賞
野村東可「▽サンカク ─女は、愛を、くっつけた─(仮題)」

□ 脚本部門 審査員特別賞
室井孝介「658km 陽子の旅(仮題)」

□ 監督部門 審査員特別賞
Jo Motoyo「ヨンチンの成長日記(仮題)」