「スター・ウォーズ」の“ハン・ソロとグリードのどちらが先に発砲したか”論争に終止符を打つ見方が登場

引用元:IGN JAPAN
「スター・ウォーズ」の“ハン・ソロとグリードのどちらが先に発砲したか”論争に終止符を打つ見方が登場

 
ハン・ソロとグリードのどちらが先に発砲したのか? このシンプルな疑問について、「スター・ウォーズ」のファンは数十年にわたって白熱した論争を繰り返しているが、ついにすべての議論を終わらせるかもしれない見方が出てきた。
まずはこの問題を知らない人のために解説しよう。『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』のオリジナルバージョンで、賞金稼ぎのグリードがハン・ソロに銃を突き付け、彼を座らせて話をしているときに、ソロはグリードを撃ち殺すことで会話を切り上げた。しかし、のちにリリースした特別篇で、ジョージ・ルーカスはグリードが先に発砲したように見える形でシーンを変更。そしてDisney+に登場した最新のバージョンでは、グリードによる「Ma-klunk-key」という脅迫の言葉も追加された(Ma-klunk-keyはだいたい「これでお前は終わりだ!」という意味のエイリアンの言葉だ)。ルーカスは先に人を撃つ冷血な殺人者ではなく、相手を先に発砲させるジョン・ウェイン風のカウボーイとしてソロを描きたいと考えたのだ。

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これらの変更は「スター・ウォーズ」ファンの世論を二分した。ハンが先に銃を撃ったシナリオを好む人たちは、その展開は登場したばかりの頃の彼が道徳的にグレーなキャラクターであることを強調し、後でハンが善人になって終盤にルークと反乱同盟軍を助けるという映画のクライマックスをより素晴らしいものにしていると主張。一方、反対の考えを持つファンは、変更が最初からソロをより高潔な人物に見えるようにしている点を気に入っている。
ところが、redditユーザーのThe_Last_Boy_Scoutにとって、そもそもこんな論争が起こるべきではなかった。「エピソード4におけるハンとグリードのシーンから、すべての文脈と西部劇のトロープ(お約束)を消去すれば、それは銃を突き付けて自分を殺すと宣言したヤツを撃つというシンプルなシーンになる」とそのユーザーは説明する。「教科書に載るような基本的な自己防衛に過ぎない。そこには変更の対象となる道徳的な曖昧さは最初から存在しなかった」
これは的を射ている論点だ。ハン・ソロとグリードのシーンは明らかに、賞金首になった口達者なガンマンが彼の命を奪って懸賞金を得ようとする賞金稼ぎに追い詰められるという西部劇のトロープを呼び起こすように意図されていた。しかし、現実世界に即したより実際的な見方をすれば、ソロは適法な正当防衛をしたに過ぎないのだ。

グリードがブラスター銃でソロを殺傷するというあからさまな目的で彼に近づいてきたことを考えると、ソロが自分の命を守る権利を持っていたことは自ずと分かる。平静を装ったソロの態度に騙されてはいけない。グリードを軽くあしらっているように見えたかもしれないが、ソロは賞金稼ぎが自分を生きるか死ぬかという絶体絶命な状況に追い込んだことが分かっていた。グリードを殺したのは、単純に彼が生き延びるために必要な行動だった。
もしグリードが武装していなかったら、このシーンは論争に値する全く違うストーリーになるだろう。しかし、銃を持ったグリードから自己防衛を図るという特定の状況を考えれば、先にグリードを撃ったソロが道徳性と――議論の余地はあるかもしれないが――合法性において間違っていたとは言い難い(まあ、モス・アイズリーという街自体がほとんど無法地帯だったのかもしれないが)。
さらに、このシーンの直前にオビ=ワン・ケノービがドクター・コーネリアス・エヴァザンを斬り裂き、ポンダ・バーバの腕を切断したことも忘れてはならない。彼らが銃を手に取ったからだ。似たようなシチュエーションなのに、ケノービは誰からもいわれのない非難を受けていない。
ハン・ソロとグリードのシーンについての長年の議論に対する新たな観点について、あなたはどう思うのだろうか? コメント欄であなたの意見を教えてほしい。 Joshua Yehl