中国全土の映画館が再び閉鎖

引用元:IGN JAPAN
中国全土の映画館が再び閉鎖

   
数カ月にわたる閉鎖を経て、数日前に中国国内の一部の映画館が営業再開を許可されたばかりだが、すべての劇場の営業停止が再び命じられた。
ハリウッド・リポーターによれば、映画を管轄する中国政府の機関「国家電影局(国家映画局)」は全国の映画館の運営企業に対して、すべての劇場の閉鎖を命令する通知を発した。政策転換の理由や営業再開のスケジュールは明かされていない。ハリウッド・リポーターは「業界の内部者はただちに、政府が第二波のコロナウイルスの感染爆発を危惧していると推測し始めた」と報じている。

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中国全土の7万ある映画館のうち、規模の小さい600の劇場は先週に営業を再開した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のさらなる蔓延を防ぐための封鎖措置として、1月からすべての映画館は営業停止になっていた。
数日前には最大の国営映画会社である中国電影集団は「アベンジャーズ」シリーズやジェームズ・キャメロンの『アバター』、クリストファー・ノーランの『インセプション』や『インターステラー』など、ブロックバスター作品の上映によって観客を劇場に呼び込む計画を発表したばかりだった。そのため、今回の中国政府の決定は、業界関係者にとって大きなサプライズとなった。

「2回目の営業停止は1、2週間で終わるものではありません」とある大手の映画館運営企業の重役がハリウッド・リポーターに話している。「劇場の再開に関して、政府はより慎重になっており、今回の閉鎖命令は長く続くでしょう」
当局が国内のストリーミングサービスへの未公開映画の販売を抑えようとする動きを見せているので、製作と配給会社の幹部はビジネスをするうえでの選択の少なさに対して懸念を示している。中国政府は、現在の問題が解消された後で、新作の公開を通して映画館のシステムを速やかに強化するために、このような施策をとっているという。

COVID-19のパンデミックの影響を受けてますます多くの映画館が閉鎖されている中、ストリーミングサービスは注目を浴びている。自宅にいながら友人との繋がりを維持したいと考える映画ファンが、いつもとは違う方法で作品を鑑賞しているからだ。
一部の人は複数のユーザーがNetflixの映画やドラマを同時に配信できるGoogle Chromeの拡張機能であるNetflix Partyを利用しているが、激増したオンライントラフィックのせいで帯域にかかる負担が上昇している。その結果、NetflixやYouTubeは欧州向けにデフォルトのストリーミング品質を標準解像度(SD)まで下げた。
中国だけではなく、世界各国の映画業界に対するCOVID-19のパンデミックの影響は当分続きそうだ。 Adele Ankers