『ポケモンスナップ』発売から21年。写真撮影で癒された、ヒトカゲの仕草

引用元:マグミクス
『ポケモンスナップ』発売から21年。写真撮影で癒された、ヒトカゲの仕草

 今から約20年前、1990年代の後半は「ポケットモンスター」(以下、ポケモン)が爆発的なブームを巻き起こしていました。1996年に端を発するゲームボーイ版『赤・緑』に始まり、1997年のTVアニメ放送開始、関連キャラクターグッズの展開、トレーディングカードの登場。そして、『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』をはじめとした劇場版の上映など、ポケモンが分野を越えて世間を賑わせていました。

【動画】カメラを通してポケモンの生態に迫る!『ポケモンスナップ』プレイ動画

 そうした状況のなか、1999年3月に誕生したニンテンドウ64用ソフト『ポケモンスナップ』は、ずばり“写真撮影“がテーマ。プレイヤーはポケモンを捕獲してバトルに挑戦するのではなく、自らカメラマンとなって野生ポケモンの撮影に挑みます。ちなみに主人公をつとめるのは、アニメ版に数回ほど登場している少年「トオル」。本作は彼がポケモン研究の第一人者であるオーキド博士に呼び出されるシーンから始まります。

 当時は『ピカチュウげんきでちゅう』や『ポケモンスタジアム』といった作品こそリリースされていましたが、元気いっぱいにフィールドを駆け回るポケモンを見ることができたのは本作が初。151種全て登場!とはいかないものの、60種類近くのポケモンが実装されており、それぞれ生き生きとした表情を見せてくれました。

 カメラを構えて被写体をファインダーに収め、構図を決めたらカシャっとシャッターを切る。そうして出来上がった写真をオーキド博士に採点してもらい、スコア更新とまだ見ぬポケモンの発見を目指して新コースに臨む……。レールシューティングに近いゲームシステム性ながらも、撮影を軸にポケモンの生態に迫ることができたのは、本当に魅力的な要素だったと思います。

 また、現在はサービス終了していますが、お気に入りの写真をローソンでプリントアウトしてくれたのも、今となっては画期的だったかもしれませんね。 『ポケモンスナップ』発売から21年。写真撮影で癒された、ヒトカゲの仕草 ヒトカゲは、初代『ポケットモンスター 赤・緑』から登場しているポケモン。画像は「モンスターコレクション EX EMC_16 ヒトカゲ」(タカラトミー)

「ヒトカゲホイホイ」で癒された火山ステージ

 前述の通り、『ポケモンスナップ』のクリア目標は未発見のポケモンを撮影し、ゲーム内の図鑑を埋めることです。その過程をこなすためにも、オーキド博士から褒めてもらえるまで写真を撮り続ける日々が続きました。フレームの真ん中に大きく写るよう、出現タイミングを覚えて機械的にシャッター切る。ハイスコアが更新できなければ、それこそ何十回も同じコースをやり込みました。

 こうした遊び方も無論やり甲斐にあふれていましたが、何時間も継続するとさすがに疲れてしまいます。そんな時によく実践していたのが、火山ステージのお楽しみ“ヒトカゲホイホイ“(筆者命名)です。

 火山ステージには炎タイプのポケモンがたくさん生息しています。原理を説明すると、道中に出現するヒトカゲの興味を惹き、主人公の眼前までおびき寄せよう! というもの。

 まずヒトカゲの周囲へポケモンフード(ゲーム内アイテム)を投げ入れると、エサに喜んでこちらへ近づいてきます。そのまま大量のエサを投入することで、1匹、また1匹とヒトカゲが集合。最終的には6匹のヒトカゲが集まり、尻尾を振ったり、ピョンピョン飛び跳ねたりと、可愛らしい姿を披露してくれました。直接的にゲームクリアへ大きく近づく要素ではないものの、筆者を含め多くのプレイヤーに癒しを与えてくれたと記憶しています。

 命名こそしましたが、こうした遊びはヒトカゲ以外にも各ステージでさまざまなものが存在します。生息地の違いや特徴などの個々の生態を再現し、それらがゲームに上手く組み込まれていたからこそ、リアルなポケモンの仕草を垣間見ることができたのではないでしょうか。

 発売から21年経った今もなお根強い人気を誇る『ポケモンスナップ』。現在はバーチャルコンソール版で気軽にプレイできますが、いつか最新機種で生まれ変わった続編を遊びたいと強く願っています。 龍田優貴