京都の公立劇場「ロームシアター京都」(京都市左京区)の新館長に内定していた演出家・三浦基氏の就任が延期されることが3月19日、京都市から発表された。
2005年に京都に移転した劇団「地点」の代表・三浦氏。国内外での活動実績と若さを買われて、1月16日に2020年4月からの就任が発表されていた。
しかしその後、「地点」におけるパワハラ及び不当解雇問題が浮上。元劇団員がパワハラを受けたとして団体交渉が続いているなかでの就任発表だったことから、多方面より疑問を持つ声があがり、2月14日には演劇関係者から市に対して公開質問状も提出された。
これを受けて同劇場から、「就任発表後に様々なご批判の声をお聞きしているといった状況も踏まえ、京都市・京都市音楽芸術文化振興財団・三浦氏の三者で協議した結果、館長就任を延期することとなりました」と発表。
市の公式サイトでも、「信頼回復に向けた取組を確実に実施するため、三浦氏の館長就任を1年延期することとしました」と公表された。
同サイトでは、「3月5日に『元劇団員を含め関係当事者間で解決に至った』旨の報告を三浦氏から受けました。交渉事案が解決してもなお、館長就任を巡って生じた懸念や、係争中の事案を抱える方を館長として発表した京都市・音楽芸術文化振興財団に対する批判の声もお聞きしている」と現状を説明。
「市民や劇場関係者のみなさまに対する信頼回復のための取組の具体的内容につきましては、今後、京都市・音楽芸術文化振興財団・三浦氏の三者で検討し、実施いたします」と、ハラスメント防止のための指針の作成やシンポジウムの開催を検討しているという。
京都の公立劇場、パワハラ疑惑で次期館長の就任を延期
引用元:Lmaga.jp