映画「新聞記者」藤井監督 「奇跡だった」と振り返る“撮影中止事件”

引用元:TOKYO FM+
映画「新聞記者」藤井監督 「奇跡だった」と振り返る“撮影中止事件”

高橋みなみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「高橋みなみの『これから、何する?』」。3月19日(木)の放送は、たかみなが休演のため、木曜パートナーで文筆家の古谷経衡さんが進行をつとめ、映画「新聞記者」の藤井道人監督をゲストに迎え、お届けしました。

「新聞記者」は日本アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞の3冠を獲得。「観たときに衝撃を受けた」という古谷さんがこの評価についての心境を尋ねると、藤井さんは「撮影や脚本制作はずっとつらかったので、全部が報われるというか。ホッとしているのが率直なところ」と回答しました。

また「20代から貧乏で、(周囲から)『ようやく報われたね』と言われた。大学時代から一緒に映画をつくってきた会社のメンバーが喜んでくれたので、1つの区切りとしてよかった」とも。

そんな藤井さんは、1986年生まれ、東京都出身。3~18歳まで剣道一筋のスポーツマンだったそう。しかし、大学では違う道に興味を持ち「楽そうな映画学科に進んだ」と言います。そこで脚本を勉強するも挫折してしまい、藤井さんは「撮影を始めてみたら監督業が楽しくて……」と撮影にのめり込んでいきます。今もその延長で映画を撮り続け、数々の作品を世に送り出してきました。

リスナーからの「邦画が洋画に負けていない点はどこか」との質問には、「逃げ腰な言葉ですが、映画は勝ち負けでは撮っていないので。それぞれに一番大事な映画があればいい。でも20年後に邦画が一番イケているという時代を自分たちがつくらなきゃとも思う」と藤井さん。

一番の撮影裏話を聞かれると、「一度、撮影が止まったことがあった」と明かします。その映画の名は、「青の通り道」。作品に出演していた俳優が逮捕(不起訴処分)され、撮影が中止に。藤井さんの「来年、もう一度撮り直したい」との言葉に、キャストやスタッフが「撮ろう! 1年後、(スケジュールを)空けておくから」と返し、作品が完成したことを「奇跡」と振り返ります。

自身が監督する映画「宇宙でいちばんあかるい屋根」の公開を今秋に控え、忙しい毎日という藤井さんは「今日もこのあと仕上げ(編集)に行きます」と笑顔で語っていました。

(TOKYO FM「高橋みなみの『これから、何する?』」2020年3月19日(木)放送より)