アニメ『鬼滅の刃』を傑作にしたufotable かつて作られたオリジナル作とは

引用元:マグミクス
アニメ『鬼滅の刃』を傑作にしたufotable かつて作られたオリジナル作とは

『鬼滅の刃』の人気は、とどまるところを知りません。2020年は、劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』の公開も予定されています。一過性のブームでは終わらず、日本を代表する作品として、語り継がれていくことになるのは間違いないでしょう。

【画像】『鬼滅の刃』のufotableが手掛けたアニメ作品(9枚)

 作品人気を支えるのが、吾峠呼世晴氏によるマンガをこれ以上はない迫力で映像化した、制作スタジオ・ufotableによるアニメーションです。そのufotableが、同じく大ヒットした『Fate』シリーズや『空の境界』よりもさらに以前に発表した、『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』という作品があります。

 『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』が、テレビアニメとして放映されたのは2007年。いわゆる萌えアニメを中心に、視聴者も市場も大きく盛り上がっていた、深夜アニメの青春期とも言うべき時代でした。作品の内容も青春ドラマ。少子化と価値観の多様化によって、学校に通うことの意味が失われた近未来。活気が失われ廃校寸前となった学校で、みかんこと稲森光香(いなもり・みか/CV:野中藍)は、優柔不断で押しに弱い性格のせいで生徒会役員の仕事を押しつけられてしまいます。

 誰にも努力を顧みてもらえないまま、たったひとりで必死に業務をこなそうとする光香。そんな彼女の前に、ある日、不思議な転入生が現れます。突き抜けて明るく元気で、ぐいぐい周りを引っ張っていく彼女は天宮学美(あまみや・まなみ/CV:堀江由衣)。学美がやりたいと思ったのは、冷めきった学校を「わくわくできらきらな」場所に変えること。そのために、行われなくなって久しい学園祭の復活を目指したのでした。

 学園祭復活のために始めたのは、仲間を集めて相談を繰り返し、大人たちと掛け合い、チラシをまいて署名を集めるという、実に地味で泥くさい作業。時に仲違いや失敗がありながらも、「わくわくできらきら」をあきらめることなく、今の自分達にできることを精いっぱい続けます。

 本当の青春とは華やかでも甘酸っぱくもなく、彼女たちの日々のように、地味でダサくて未熟なものではないでしょうか。それでも、人生において何より貴重な「本気の一生懸命さ」という輝きを、つまりは「わくわくきらきら」を、自分自身の手で見つけられる時期だからこそ素晴らしいのです。

『がくえんゆーとぴあまなびストレート!』は、深夜アニメの青春期におけるアニメーション制作の「本気の一生懸命さ」が、最も純粋な形で反映された作品のように思えてなりません。