【吉田輝和の絵日記】宇宙版「母を訪ねて三◯里」?カートゥーンアニメが交差する異色ビジュアルノベル『マルコと銀河竜』

引用元:Game Spark
【吉田輝和の絵日記】宇宙版「母を訪ねて三◯里」?カートゥーンアニメが交差する異色ビジュアルノベル『マルコと銀河竜』

!注意!本記事にはネタバレが含まれています。閲覧にはご注意ください。
今回プレイするのはTOKYOTOONが贈る、PC向け『マルコと銀河竜 ~MARCO&GALAXY DRAGON~』。本作は、記憶喪失の少女マルコが、生き別れた母親を探すカートゥーンアドベンチャーゲームです。

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これまでサウンドノベル『かまいたちの夜』やハードボイルド推理アドベンチャー『探偵 神宮寺三郎』などはプレイしてきたのですが、昔から、美少女が全面に押し出されたビジュアルノベルを手に取るのは少し気恥ずかしい思いがありました。

少年時代、家族にバレると恥ずかしかったので、『ときめきメモリアル』をこそこそとプレイした記憶があります。

初っ端から超展開!理解が追いつかないぜ…

3歳からピアノを始めた恩田丸子(以下:マルコ)は、早くから才能が認められ、6歳の頃には海外公演や各国のオーケストラに参加していた。そしてとあるコンクールの予選のあと、その結果を報告するために母親がいる控室へ向かう。

「マルコのお母さん僕好みだったらいいな!僕、人妻キャラが好きなんだよね!」とワクワクしていたのだが……

母親は、ピエロのような姿をした2人組の男に拘束されていた。

ピエロの目的はマルコをさらうこと。抵抗する母親とマルコだが……乾いた銃声が鳴り響くのだった。

美少女とキャッキャウフフするゲームなのかな~と思っていたのだが、初っ端からめちゃくちゃハードな展開だ。まさか、血と硝煙の香りが漂うハードボイルドアドベンチャーか?

そして時は流れて10年後……。

んんんん!?

突如、カートゥーンアニメが流れ出す。画風が全然違うんですけど!

どうやらマルコは、遺跡のお宝を盗み出すトレジャーハンターになったようだ。

その後、ベッタベタな悪役キャラが現れるも、マルコはお宝「トカゲ石」をゲットし、自分の宇宙船へと帰っていくのだった。

ただのビジュアルノベルかと思っていたらハードボイルドなストーリーで、さらにはカートゥーンアニメの演出が入る……初っ端から超展開が続く!

もしかして宇宙版「母をたずねて三◯里」!?

カートゥーンアニメが終わると、通常のビジュアルノベルに戻る。この演出は本作のギャグテイストをより濃いものにしているようだ。

背中を痒がっているこの少女は、あれから成長したマルコだった。

6歳の頃に誘拐されたマルコは奴隷市場に連れて行かれ、宇宙ワニのドスゴロに買われてしまう。

地球を飛び出して、まさかのスペースオペラだ!

彼女には幼い頃の記憶がなく、生き別れた母親の顔も覚えていない。母親と自分が写るボロボロの写真を「たからのちず」と呼び、大切にしていた。

ひと目でも母親に会うことを願って地球へ向かうマルコと相棒のアルコだった。

いや、マルコの名前の由来が「母を訪ねて三◯里」とは関係ないかもしれないけど……。

美少女からおでん屋を営む宇宙人まで!

地球観光を満喫しながらも、母親の面影を探すマルコとアルコ。地球では様々な出会いが彼女たちを待っていた。

そば屋で働く瑠璃ちゃん。

ロリっ子の市長。

裏の顔を持つ女子高生の桜子。

残念金持ち少女のテラ。

地球でおでん屋を営む宇宙人……どのキャラも可愛くてバカバカしくて魅力的なのだが、あえて1番を挙げるとすると、お金持ちのテラちゃんが僕の1番のお気に入りだ。

お金持ちキャラと仲良くなっていれば、自分が職を失って落ちぶれた時、就職先の斡旋をしてもらえるかな~とか……そんな浅ましい理由によりギャルゲーではお金持ちキャラを真っ先に攻略してしまう。

みんな貧乏が悪いのだ。

まあ本作には特定のキャラクターを攻略する要素はないのだが。

個性的な美少女たちと出会いながら、謎のお宝「トカゲ石」を狙う謎の異星人に追われるマルコは、果たして母親のもとへたどり着けるのか……。

読者の皆様の目で、このドタバタ活劇の顛末を見届けて欲しい!

本作通常版の価格である7,800円(税込)は、Steamで配信されているビジュアルノベルと比べて価格が少し高いと思いましたし、8時間程度でクリアできるので決してボリュームもあるわけではないのですが、それでも満足度はかなり高かったです。

ギャグ満載のストーリーは、バカバカしい展開の中にも、熱い要素や泣ける要素がしっかり含まれています。美少女がキャッキャウフフしているだけではなかったので、読み物としても楽しめました。

ビジュアルノベルは「紙芝居」と揶揄されがちなジャンルですが、本作はフルボイスのうえ、CG・スチルの枚数は1000を超える豪華さ。プレイ中、CGイラストが目まぐるしく変わっていくので、上質なアニメ映画を見ているような感覚でした。

1000枚ということは、このプレイ絵日記で言えば、1記事あたり7枚なので142回分にもなりますね。すっげえ……。

本作の体験版が配信されているので、本記事を読んで少しでも興味が出た人はまずはプレイしてみてください。YouTubeでは公式がその体験版のプレイ動画を配信しています

『マルコと銀河竜 ~MARCO&GALAXY DRAGON~』は、PCを対象に配信中です。なお、本作の発売を記念してマルコ役の井澤詩織さんとアルコ役の吉田有里さんによるラジオ番組『マルコとアルコと銀河ラジオ』がYouTubeで配信されています。

吉田輝和のプロフィール:自画像の絵日記を20年以上書き続けている謎のおじさん。近年、「ちおちゃんの通学路(KADOKAWA)」や「お稲荷JKたまもちゃん(一迅社)」、「からかい上手の高木さん(小学館)」などの人気漫画のモブキャラとして登場しており、これまでアニメ作品に3回登場した。何故こんなに漫画登場しているのか、描いた漫画家も吉田本人もよくわからないらしい。 吉田のTwitterはこちら。 Game*Spark 吉田 輝和