GENERATIONS・白濱亜嵐「今なら化学反応を起こせる」

引用元:スポーツ報知
GENERATIONS・白濱亜嵐「今なら化学反応を起こせる」

 7人組ダンス&ボーカルグループ・GENERATIONSのリーダー、白濱亜嵐(26)が主演する映画「貴族降臨―PRINCE OF LEGEND―」(河合勇人監督)が13日から全国東宝系で公開された。白濱の役どころは学園乗っ取りを計る“伝説の貴族”と呼ばれるホスト役で「最初は『えっ、ホスト?』『えっ、伝説って何?』みたいな感じでした」と振り返った。ジェネとしては4月に今年の初シングル「ヒラヒラ」を発表しツアーもスタートするが「新曲はツアーの軸となるこだわった作品で、国民的なヒット曲にしたい」とも。初出場したNHK紅白歌合戦や海外進出、将来の夢などジェネのリーダーとしても思いやプライベートもたっぷり聞いた。

 今作は「PRINCE OF LEGEND」の続編で、学園乗っ取りを狙うドリー(白濱)に前に伝説の王子(片寄涼太)が立ちはだかるというストーリー。山場となるフェンシング対決は撮影も苦労したそうだ。

 「フェンシングのシーンは2日かかりました。体育館が寒くて体力的にもきつかったですが、お面越しの表情も必要だったから、ちゃんと顔も作ってやらなきゃいけないんですね。面をかぶって撮って、また脱いで同じシーンを撮る繰り返しでけっこうタフでした。フェンシングは競技も見たこともなくて剣を握るのも初めてでしたが、早稲田大学のフェンシング部に通って元日本代表の方に教えてもらいました。対決の場面では(上半身)脱ぐのが分かっていたので、週4ぐらいジムに通って鍛えていました」

 ―片寄らとの共演はどうだった。

 「大変さはなかったです。指導の先生もいて涼太とも『こうやるから、こう来た方がいいんじゃない』とディスカッションしながらやっていました。他にジェネのメンバー(佐野玲於、関口メンディー)が出てますが照れることはなかったですね。もっと普通な役というか現実的の役だと照れるかもしれませんが、あまりに非現実的な世界観だったのですぐ入り込めました」

 ホストの役を打診された時は戸惑ったそうだ。実生活は“夜行性”のホストとは真逆だという。

 「驚きでした。ホスト役もびっくりでしたが“伝説の貴族”のネーミングに『?』しか浮かびませんでした。どういうストーリーでどんな役柄なんだろう。いろんな疑問も湧いてきましたが、脚本を読み込んでいく中でだんだん見えてきました。ホストクラブに実際行った事はありませんがドキュメントとか見てヒントをいただきました。No.1のホスト役ですが、僕、夜は得意じゃなくてすぐ眠くなっちゃうんです。お酒の席がない時は11時半くらいには寝ているので、生活リズムは合わないかもしれませんね」

 アーティスト活動に加え最近は俳優業に忙しいが、切り替えはできるのか。

 「俳優の意識は高まってはいますが、僕は元々が『劇団EXILE』から芸能人生が始まっているので、そこまでシフトしている感じはないですね。切り替えは意外とできているというか、すべてがパフォーマーの一環だと思っているので違う職業という感覚があまりないです。でも最近ふと『あ、大変だな~』って思うことあります。やること多くて24時間じゃ足りないな~と。家とか帰っても締め切りまでに曲を作らなきゃいけないとか。実際、自分が作る曲で動くプロジェクトもあるので帰宅したらすぐにパソコン開いて、そっからまた3時間とか作業やるわけですよ。『家にいてもこれ仕事だな』と思ってますが、でもそれが好きだからしょうがないんですね(笑い)」

 昨年はジェネのアルバムに収録された「心声」をサウンドプロデュースし、クリエーターとしても真価を発揮し始めている。

 「去年、ジェネのライブで田名網敬一先生がアートグラフィックをやって下さって、先生の作品を見た時に『この画だけで一曲作れる』と思ったんですね。で、ライブの画に合うような曲をダメ元で作ってみようって、寝る間も惜んで先輩方に助けてもらいながら、2か月ぐらいスタジオに籠もって曲作りしました。HIROさんに『曲を作ったのでよかったら、明日のメンバー会議で聴いていただけたらうれしいです』と連絡を入れて曲をプレゼンし、みんなにも聴いてもらいました。実際にやろうとなった時にはめちゃくちゃうれしかったです。念願の持ち曲で一人の作曲家、トラックメーカーとしてスタート切れたというか。そこから世界ももっと広がるだろうし、もっと作って世に出したい。最近はHIROさんも『デモ作っているのか』と聞いて下さります」

 ―今はDJよりも曲作りは先行している。

 「最近はDJやってなくて曲作りが先行してますが、DJやる時用に曲はしっかり作っています。曲作り楽しいです。昨年、SHOKICHIさんから『ライブで使いたいから亜嵐にリミックスを作って欲しい』というオファーをいただいて、3日間ぐらいで2曲仕上げました。ライブのクレジットに自分の名前も入れていただきましたが、これも“やった感”あってうれしかったです」

 4月15日に発売される「ヒラヒラ」は、ジェネにとって勝負曲になりそうだ。

 「年末辺りからメンバーと次の曲の話をしていました。ジェネが紅白に出て一発目のシングルをどういう曲調をやるのかと考えた時、日本ってやっぱりバンド文化が強いから『バンドサウンドでやろう』と提案しました。最初は周囲に『こういう曲で踊れるの』って心配もされましたが、僕は間違いなく今のジェネなら踊れて新たな化学反応が起こせると思っていました。以前から『ジェネには国民的なヒットソングもない』とみんなと話していて、そこのヒット曲はあくまで貪欲に探していきたい。今回もみんなでいろんな曲を聞いて『ああでもない、こうでもない』とか話して作品のイメージを形にしていきました」

 ―手応えはある。

 「すごいかっこいいです。『ジェネの中で一番好きかも』と思えるぐらいです。とにかく今回はこだわりました。イントロは音を減らしてめちゃくちゃ印象的なフレーズにしようって。そこはもうマストで、結局はイントロで心をつかななきゃいけないでしょ。今の時代はストリーミングでJポップのプレイリストがあるとしたら、それをシャッフルして曲順とか分からないランダム状態で聞いた中で、ジェネの作品とは思えないような曲が流れて『これってジェネなんだ』と思われるようのが必要かなと、そこを狙っていかなちゃいけない思いました」

 4月からジェネのツアーがスタートするが、演出で悩みもあるようだ。

 「新曲は確実に軸になる楽曲です。今年はパーフェクトイヤーでもあるし、昔から応援して下さった方も新しく最近ジェネを知ったという方も丸ごと楽しめるライブにしたい。全員はもちろん、ソロを生かしたステージもあります。シュチエーションかなり多いですよ。ただ演出は悩みます。本当に。去年やったのはできないし先輩や仲間もライブやっているので『これはあのチームやっていた』というのもある。今回はEXILE、セカンド、三代目JSBと全く同じセットなのでそこでジェネの色をどう出すのか。僕とメンディー君が先にEXILEのライブでステージを経験しているので、そこはメリットありましたが、演出やテーマで違いを出さないといけないでしょうね」

 EXILEとジェネで活動しているが意識の違いはあるのだろうか。

 「僕はEXILEにあこがれて育ってきたので、先輩と同じステージに立てる幸せを噛みしめています。ジェネの場合は率先してみんなとライブを作っているし、実力を示してなめられないようにしなきゃなというのが大きい。そこはリーダーですから…。楽しみながらやっているEXILEとはまた違いますね。でもEXILEでは先輩の背中を見てまだ育っている途中だと思っています。僕、一人の人間としては後輩の方が得意なんです。年上の人に囲まれている方が楽で楽しいんですね。ジェネにはまた違う楽しさがあります。同級生というか部活というか、大学生の感じの楽しさがね」

 昨年はデビューして8年目で紅白歌合戦に初出場した。EXILEで出演した時とは違う思いがあった。

 「紅白ってやっぱり影響力すごいです。いろんな人に『おめでとう』っていわれるし、おじいちゃんおばあちゃんもすごく喜んでくれました。番組が一つ文化になっている感じます。実は僕とメンディー君は紅白には何回か出ていて、EXILEで3回ぐらい、その前にバックダンサーでも出ているので紅白の大変さは分かっていました。でもジェネで初出場して、顔合わせだったり発表会見を経験すると、またEXILEで出るのとは違う感慨がありました。また今年も紅白出たいです。メンバーも国民的なヒット曲を探して、それが生まれるまでは紅白やいろんな音楽番組にしっかり出て、自分たちの存在意義を示さないといけないと思います。レコード大賞にも出てみたいです。僕唯一あのステージに立ったことないんです。EXILEが最後に大賞取ったのは僕が入る前(2013年)だったので、いつかはと思っています」

 15年にLDHのアーティストとして初の海外ツアーを行ったが、最近は個人活動が活発になり実現できない状態が続いている。

 「海外やりたいですね。ワールドツアーはやっぱり続けないと意味がないし、無理をしてでもジェネは世界に出て行くべきだと思います。ジェネが世界ツアーで切り開いて部分はLDHの中で間違いなくあると思うので、そこは自信を持っていきたい。僕らが最前線で海外で戦わなきゃいけないとも思います。でも現実問題として時間がね…。だから正直いって、ちょっとやり方も見直さなきゃいけないと思います。リーダーとして客観的にジェネを見た時に個人の活動を増えて、それがグループに返ってくるのは大切なんですが、やっぱり本質のグループ活動をしっかり取り組める環境作りをもう一回、一からやり直した方がいいと思っています」

 ―海外進出の先に見えるモノは。

 「グラミー賞はまだ狙っていますよ。ビルボードのチャートにKポップチャートがあるんですがJポップチャートがない。『Jポップやばいぞ』っていう中にジェネがいて欲しいし、そこ切り開いて行きたいです。今、本当に韓国って音楽もそうですし映画もすごいじゃないですか。あそこまでエンタテインメントで振り切ってしっかりやってきた結果が今だと思う。そこはすごく尊敬します。僕は日本を背負って世界で戦っていきたい。そのチャンスがLDHには転がっていると思いますし、これからも努力し続ける事が一番大事だと思います」

 ―最後に素に戻れる時は。

 「愛犬と遊んでいる時一番幸せです。飼い始めて1年ぐらいですけど散歩もよくしますよ。ラブラドゥードルというプードルとラブラドルレトリバーのミックスの小型犬です。家では一緒にいますし。ずっと僕の近くておとなしく座って待っています。頭いいです。元々セラピー犬のために作られた犬なんですね。セラピー犬と聞いて、やっぱり僕も単純に動物を飼う時に意味を持って飼いたいなってって。かわいがるだけじゃなくて、一緒に生きていけるように思って見つけたのがこの犬種だったので。実際に僕のことをめちゃくちゃセラピーしてくれてますし、落ち着きますし。人生の相棒という感じがしますね。寿命は10~15年ぐらいですかね。ここから10年は僕の人生を支えてくれる存在ですね」

 パフォーマーに俳優、サウンドプロデューサー…。数々の才能がどう化学反応を起こすか今後が楽しみだ。

 (ペン・国分 敦、カメラ・頓所 美代子)

 ジェネのメンバー仲の良さは有名だが、リーダーとし意識している部分もあるようだ。

 「僕らは本音で話し合うしぶつかる事が多いからこそ仲がいいと思います。これは昔からです。最近はみんな大人になってきましたけど全然ぶつかりますよ。ライブ作りでも『俺はこう思うけど』って、ちゃんとディスカッションしてアイデアやイメージをいって、意見をお互いが共有、交換して正解を探して行くというのをずっとやっています。基本的には集まれる時に集まろうっていうスタイルです。リーダーがみんなが集まれ機会を作ったり、みんなの思っていることを一番理解しなきゃいけない立場だなと思っています。自分はまだまだできていませんが、ジェネのことを常に考えています」

 ―悩んだ時はどうする。

 「先輩にも相談します。この間、台湾に行った時に久しぶりに先輩と飲む機会があって、AKIRAさんと(小林)直己さんと(黒木)啓司さんと飲ませていただいて、今のジェネの環境を聞いてもらったり、先輩方が成功するためにどう道を作ってきたのか聞きました。リアルなところでいうと、自分のやりたい作品のプレゼンの仕方を直己さんに聞きました。話してみると先輩がやってきたことって意外と僕らって知らないことも多い事に気づきます。最近はAKIRAさんとご一緒させていただくこと機会がが多いですが、人に気遣いができる方で僕自身が心から尊敬できます。AKIRAさんみたいになれたらいいなって。やっぱすごい兄貴って感じです」

 筋トレは日常で欠かせないアイテムという。

 「朝早起きしてプール行ったりジムに行ったりしますが、時間がない時には腕立てとかバーっとやって、血流を良くしてから家を出ます。健康的でしょ。僕は自分が筋トレに向いているのが分かるんです。得意というか。闇雲にやっても筋肉はつきません。最小限でいかに効かせるかを考え、ボディビルやっている友達とジムに行って教えてもらっていたりしてやっています。大会でも優勝していえるランペの(武知)海青とも一緒にやっていますよ。もちろん筋肉がつく分、体重も増えます。これはダンスにはいい影響も悪い影響どっちもあって、いい影響でいうと、鍛えていると自信がついたり心が強くなるのでライブ中にバテた時でも『あのトレーニングに比べたらましだ』というメンタルに持っていける。それに瞬発力や体力もつきます。デメリットは背中の可動域が狭くなる。肩胛骨周りですね。でもメリットの方が良かったと実際に自分がやって思います」

 昨年、Jr.EXILEのプロジェクトがスタートしたが、ジェネが若手を引っ張っていく役割を感じている。

 「ゆとり世代がEXILEにあこがれて集まっているのが僕らJr.世代です。たまたま僕らが先にデビューしたこともありますが、先陣を切って下を引っ張っていくのがジェネであり、それはジェネにしかできない事だと思います。やっぱりHIROさんってEXILE作った時って『オラーッ』って、力ずくでいろんな壁にぶつかりながらもくじけずにEXILEを大きくしたと思います。HIROさんがEXILEでしたように僕ら7人でJr.EXILEを大きくしなきゃいけない。Jr.世代は才能豊かです。実際スキルもありますし人としてもいい奴多い。これからの活躍が楽しみです。みんなをまとめていくのが僕らの役割であり、僕らがいないと成り立たないプロジェクトだと思っています」

 ◆白濱 亜嵐(しらはま・あらん)1993年8月4日、松山市生まれ。26歳。2010年、劇団EXILE風組のメンバーに。11年に日本テレビ系「ろくでなしBLUES」で俳優デビュー。12年にGENERATIONSのメンバーとしてメジャーデビューしリーダーを務めている。14年にEXILEに加入。同年「セブンデイズ リポート」で映画初主演。その後は数々の映画やテレビに出演。昨年は「心声」でサウンドプロデュースを務めた。父は日本人で母はフィリピン人。3人姉弟で姉はモデルのラブリ。身長173センチ、血液型A。 報知新聞社