Snow Man渡辺翔太、木村拓哉ソロライブに「感動」 デビュー発表の東京D「自分たちだけでできるようにならないと」…<紙面未収録加えた完全版>

引用元:スポーツ報知
Snow Man渡辺翔太、木村拓哉ソロライブに「感動」 デビュー発表の東京D「自分たちだけでできるようにならないと」…<紙面未収録加えた完全版>

 特集面「J」リニューアル第3弾は「Snow Man」の渡辺翔太(27)。1月22日に「SixTONES」と同時CDデビューした。デビュー時の年齢としてグループ平均、また個人でも同学年の深澤辰哉(27)、佐久間大介(27)とジャニーズで“最年長”だった。3月20日からデビュー後初の、アジア公演も予定するツアーを控える。大学時代に就職活動に踏み切ろうとした「下積み時代」の葛藤から、兄のように慕う滝沢秀明氏(37=ジャニーズ事務所副社長)の一言によって築き上げられた「今」の自身を語った。(畑中 祐司)=紙面未収録インタビューを加えた完全版=

 CDデビューから1か月余りが経過した。コラボシングル「D.D./Imitation Rain」は2組合算で初週ミリオンとこの上ないスタートを切った。渡辺は、まだ現実として受け止め切れていないという一方で、デビューまでの道のりに思いをはせた。

 「2グループ同時ということですけど、それでも“ミリオン”。これって下積みがないと出来なかったことなのかなと。やっぱり後輩がデビューしたりして、いろいろ悔しい思いもした。『Six―』とは苦楽を共にしてきたので。クソっ!って思ったときの気持ちとか。でも、あのときの下積みが間違いじゃなかったんだと思えたような」

 19年1月に現在の9人体制となったが、12年5月の結成から8年でのデビューは、Kis―My―Ft2の6年を超える“最遅”。だが、その間に滝沢氏から受け継いだ舞台「滝沢歌舞伎ZERO」(新橋演舞場)の単独主演、また「映画 少年たち」(製作総指揮・ジャニー喜多川)、単独コンサートも経験してきた。

 「“デビュー組”に負けないぐらいの仕事を経験できたと思う。Six―がいて、Travis Japan、あと下の世代でHiHi Jets、美 少年がいて。僕たちがジャニーズJr.の時代を作ったという、何か実感はある。だからこそ。下積みが間違いじゃなかったんだな、と」

 昨年8月8日、Jr.単独として“滝沢時代”以来19年ぶり東京ドーム公演を行い、CDデビューが発表された。「Six―」と同時デビューはジャニーズ初だった。

 「(CD名義は)『VS(バーサス)』となってるけど『戦う』『ライバル』以外に『対になる』という意味もある。もちろんお互いを意識し合ってきた。お互い仕事をしてきた上で、Six―がライブをやると気になって観に行って、格好いい演出を見て悔しい思いをしたり。でも、同じ日にデビューしたことで、ずっとそういう意識でお互いがいられる。これから永遠に。常に意識する相手がいるのは、自分たちが成長していくためにも、すごく恵まれた環境だと思います」

 そう思える「今」に行き着くまで、心情にも紆余(うよ)曲折はあった。13歳で入所してからジャニーズ人生は約15年に及ぶ。後輩のCDデビューも見送ってきた。アイドル活動の傍ら大学にも通っていた。

 「一番は就職のタイミング。友達がスーツ着て面接に行ったりしている中で、俺このままで大丈夫なのかな…って。この世界、一寸先は闇。本当に100か0みたいなところがあって、怖いから一応は大学に行って、みたいな。で、就活のとき友達がスーツの中、自分だけが私服という」

 進学を選んだのも、今後への不安から。友人たちの姿に触れ、アイドル以外の道への思いも芽生えた。

 「無理やり憧れという風に持っていったというか、スーツを着ている自分をちょっと想像してしまったり。昼下がりに社員証をぶらさげて、財布片手にみんなでランチする姿がうらやましいなと思ったり。そうやって途中でジャニーズを辞めようかと思ったりもしました。でも、ここで辞めたら、どんな場所にいても通用しないなと。こんなことで折れているヤツは、どこに行っても、また辞めちゃう。だったら、ここまでジャニーズやってきたんだから、絶対デビューしてやろうと」

 当時、増幅する一方の不安から周囲に当たり散らしたこともあったという。その相手の1人は「滝沢歌舞伎」の座長だ。

 「座長に文句つけてる後輩ってヤバイなって。今思うと自分が怖いけど、滝沢くんの楽屋に行って『俺、何で後輩と踊らないといけないですか!』とか。本当めちゃくちゃ。それでも滝沢くんは怒ることなく『終わったら夜、何食いたいか、考えといて』って。それで食事に連れて行ってくれて、そういうことだけでも気持ち的に落ちていた部分がスッキリしたり。でも、そのときのやんちゃな自分がいなかったら、今の自分はないのかなって。今、自分を正当化しちゃってますけど」

 不安は、自分自身を萎縮させ、虚勢をも生み出す。それを打開したのも、滝沢氏の一言だ。

 「これは、本当にここ1、2年の話になるんですけど、そこから意識がピッと変わる瞬間があった。一番響いたのが『おまえは前に出て、目立っていい人なんだよ。自信持って前に出なさい』と。それをきっかけに、もっと自分の色を出そうって、自分で思えるようになった。本当にサラッと。それが本当に響きました」

 渡辺にとって自分の色=武器とは「歌」だという。

 「もちろん、まだ『得意』と言っちゃダメなレベルだけど、もっとその色を出していきたい。『Snow―はアクロバットだったりダンスパフォーマンスを武器として押し出している。じゃ歌はどうなの?って言われたときに、歌も出来ます!って。そういう印象を与えられるようにしたい」

 間もなく、その声、パフォーマンスを届けるステージが待ち受けている。3月20日の東京・武蔵野の森 総合スポーツプラザを手始めに、アジア4都市を巡るアジアツアーだ。

 「去年の8月にデビュー発表した直後にも夏のライブがあったけど、改めて“デビューライブ”というのは、今回初めて。デビューシングルも無事に反響があった。とにかくお待たせしましたというのと、とにかく感謝をお伝えしたい」

 自身たちに先駆けてSix―は、デビュー前の1月4日からツアーを開催中だ。

 「僕たちが観に行ったのはJr.最後のライブ(1月4~7日の横浜アリーナ公演)。Jr.とデビューのはざまという感じの構成。あと、やっぱりデビューシングルを歌っている姿を見て、すごく感動したというか。CDになる曲をライブで歌っている、って。歌っているときの熱量だったり。大事な仲間のライブ。内面からも伝わってくるものがあって、泣きそうになりました。泣いてはないですけど…。めちゃくちゃグッときたというか。と同時に、俺たちもこれ早くやりてぇ!って」

 次なる自分たちのステージに向けて気持ちを高ぶらせながら、リハーサルの日々を送る。

 「自分たちのときは、ボロ泣きじゃないですか(笑い)。でも、もう一個のテーマとして『笑顔』。感謝もありながら、やっぱりライブって楽しいなと思えたり、最後にみんなが大笑いしながら泣けるライブ。そういうライブになれば」(紙面より)

 ◆紙面未収録インタビュー

 滝沢氏への思いを語った渡辺は、またもう一人の憧れの人物として偉大な先輩の存在を挙げた。今年“ソロアーティスト”として新たな一歩を踏み出した木村拓哉(47)だ。2月に開催した初ソロツアーで、その姿を目の当たりにした。

 「死ぬほど格好良かった。自分もジャニーズのはずなのに、木村さんがステージに出てきたとき、本物が出てきた!って。これがスターなんだって」

 SMAP時代の15年1月、5大ドームツアーのナゴヤドーム公演以来5年ぶりにステージで歌声を響かせた木村。待ち望んでいたファンは、マイクスタンドを手にしただけで、歓喜の声を浴びせた。

 「振り向いただけでも歓声が。マイケル・ジャクソンみたい。あのステージを見て、めちゃくちゃ感動しました。このカリスマ感って、どうやったら出るんだろうって。もちろん嵐さんとか、いろんな大先輩はいますけど、にじみ出るスター感、カリスマ感が、生で見て余計に感じました。自分も手に入れたい。理想は大きく持っていた方が、ですから」

 その木村は、自身たちのことを「彼らと同期。あいつらもよろしくお願いします」とも語った。ウィットに富んだ発言も、渡辺の心を躍らせる。

 「そういうことさえも、めちゃめちゃ格好いい。すごく粋な先輩だなと」

 木村に自身の理想を重ね合わせながら、グループとしての将来は「とにかく老若男女の方たちみんな、僕たちのことを知っているような存在に」と思い描く。

 「先輩グループで、例えばKis―My―Ft2のみなさん。テレビのバラエティー番組とかでめちゃめちゃふざけてる。めっちゃふざけるけど、ライブではバシッとジャニーズを魅せる。この振り幅があるから、世間の皆さんに支持されているんだなと」

 Jr.時代に、キスマイのバックで出演したこともあった。鮮明に記憶に残るのは、東京ドーム公演の一コマだ。

 「先輩たちの粋な計らいで『1曲、歌ってよ』って、東京ドームのステージに立たせてもらったんです。やっぱりドームツアーだったり、やられている先輩はいるけど、ドームのステージに立つのは簡単にできることじゃない。そういうところの難しさだったり、自分たちにとってもいい目標として考えています」

 昨年8月にJr.総出演で東京ドーム公演を行った。昨年末にはCDデビューを控えたグループとして、ジャニーズカウントダウンライブにも初出演した。デビューしたことによって道が開け、将来の可能性は無限に広がる中、最後に東京ドームという場所への強いこだわりをにじませた。

 「東京ドームは、自分たちのデビューを発表した特別な場所。逆に、そういう場所になったので、絶対に自分たちだけで東京ドームでライブができるようにならないといけないと思っています。できるだけ早く。だから、目標ではないです。やります」

 ◆渡辺 翔太(わたなべ・しょうた)1992年11月5日、東京都出身。27歳。2005年6月にジャニーズ入所。09年結成の前身グループを経て、12年から「Snow Man」として活動。18年に岩本照、阿部亮平と3人で舞台「愛と青春キップ」初主演。19年10月期「簡単なお仕事です。に応募してみた」(日テレ系)で岩本らと4人で連ドラ初主演。グループは19年1月に6人から9人体制となり、今年1月22日にシングル「D.D.」でSixTONESと同時CDデビュー。血液型B。 報知新聞社