「もう奇跡とは言わせない!」NHK豊原アナ、ラグビーW杯名実況の裏にあった五郎丸の言葉

 NHKの豊原謙二郎アナウンサー(46)が25日放送の同局「グッと!スポーツ」(後7・30)に出演。今年行われたラグビーW杯で日本代表がアイルランドから大金星を挙げた際に、「もうこれは奇跡とは言わせない!」と伝えた、自身の名実況を振り返った。

 今年9月28日、静岡・エコパスタジアムで行われたアイルランド戦。優勝候補を19-12で下し、列島が感動に包まれる中で飛び出したフレーズに、「恥ずかしいくらい興奮している感じなんですけど、その時の思い付きで出た言葉だけではないということもお伝えしたい」と切り出した。

 4年前のW杯イングランド大会で南アフリカに勝利し、「世紀の番狂わせ」「ブライトンの奇跡」と称された一戦の実況も担当した。その試合後、ラグビー元日本代表・五郎丸歩(33)から言葉をかけられた。「あの勝利は必然だと。自分たちが準備してきたことをきちっとやったゆえの勝利だっていうことをおっしゃっていたのが、私の中ですごく印象に残っていて。奇跡という言葉で片づけられてしまった。このことに、残念だなっていう思いは正直あったんですよね」と明かした。

 ラグビー実況歴20年を誇る豊原アナは、今年の大会前に日本代表の合宿なども取材。「かなりのハードワークでした。そして3年、4年かけて次の大会、2019年でどういう戦いをしてどうやって強豪を打ち破っていくかを、1年1年アップデートしながら準備をしてきた。これは本当に必然の勝利ということが言えるんじゃないかと思ったんですよね」と告白した。

 「ここまで言い切ってしまうのは正直、勇気がいりました。『アナウンサー風情が!』って言われるんじゃないかと思いました」と、ホンネももらした豊原アナ。試合の展開を見て「勝つべくして勝った試合だと思った」ため、「偶然起こったみたいに言われてしまうのが悔しかったので、思い切って言いましたけど。今は思い切っていって良かったと思います」と晴れ晴れとした表情で話した。

 ネット上でも話題となった名実況は、日本代表選手の間でも話題に。VTR出演した田中史朗(34)は、「ありがたいです。あの言葉は。みんなその話していました。選手間で『奇跡ちゃうねん』『俺らやってきたこと、やってんねん』って話しをしていました」とニッコリ。スタジオの嵐・相葉雅紀(37)も「素晴らしい」と同席した豊原アナを称えていた。