又吉直樹、芥川賞小説「火花」英語翻訳版で刊行

引用元:日刊スポーツ
又吉直樹、芥川賞小説「火花」英語翻訳版で刊行

累計326万部売れた、お笑い芸人、又吉直樹(39)の15年上期芥川賞受賞作品「火花」が英語に翻訳され、5日に『spark』というタイトルで刊行された。

【写真】第153回芥川賞が「火花」に決まり、著書を手にピースをする又吉直樹

売れない漫才師の様を書いた小説で、「スパークス」は主人公・徳永が中学時代からの友人である山下と組んだ漫才コンビの名前。

「火花」は15年3月に刊行され17年2月に文庫化。16年にNetflixでドラマ化され、17年にNHKで放送。同年には映画化もされた。

海外ではすでに韓国版、中国版、台湾版、ベトナム語版が発売されており、翻訳版としては5カ国目。欧米圏では初めて。英語版のカバーは、最後の“どんでん返し”が目玉焼きをひっくり返すことを連想させるとして、ポップな「目玉焼き」がデザインされた。

日本からも、Amazonでペーパーバック版とkindle版が購入できる。

物語は、まったく売れない芸人徳永が、ある日、同じようにまったく売れない先輩芸人神谷と運命的に出会う。神谷は独自のお笑い哲学を抱く、日常においても人とは違う行動や思考を繰り広げる類いまれな男。そんな天才肌の神谷を徳永は師として仰ぐ。二人とも生活は苦しかったが、貧しいながらもまっさらな「生」を生きていた。神谷には同居している恋人がいて、その女性にも徳永は人間としてほれ込んだ。2人は別れることになるが、その別れの場面はこの小説の1つのクライマックスとなっている。少しずつ売れるようになっていく徳永は、やがて、ある決断をする。時がすぎて、徳永は神谷に再会する。「自伝」ではなく、自伝的要素を含んだ完全なる「創作」だという。