ハンガリーとヨーロッパの名品が来日! 『ブダペスト』展が国立新美術館で開幕

引用元:ぴあ

日本とハンガリーの外交関係解説150周年を記念した展覧会、『ブダペスト ヨーロッパとハンガリーの美術400年』が、国立新美術館にて開幕。2020年3月16日(月)まで開催されている。

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ハンガリーの首都ブダペストは、ドナウ川沿いに壮麗な建物が立ち並び、その美しさは「ドナウの真珠」と称えられるほど。

そんなブダペストが誇る2大美術館が、ブダペスト国立西洋美術館とハンガリー・ナショナル・ギャラリーだ。

同展は、25年ぶりに両館の所蔵品をまとまった形で紹介するもの。16世紀ルネサンスから20世紀初頭のアヴァンギャルドまで、約400年にわたるヨーロッパとハンガリーの絵画、素描、彫刻の名品130点を一堂に集結。「ルネサンスから18世紀まで」と「19世紀・20世紀初頭」の2部構成で、時代順・テーマ別に名品の数々が展示される。

前半「ルネサンスから18世紀まで」では、北方ルネサンスの巨匠ルカス・クラーナハ(父)から、ティツィアーノ、エル・グレコ、ティエポロなどを紹介。

後半「19世紀・20世紀初頭」では、クールベ、モネ、ルノワール、そして20世紀初頭のドイツ前衛芸術の異彩クルト・シュヴィッタースまで、各時代を代表する作家たちの名品が並ぶ。

また、ハンガリー近代美術を代表する画家たちの作品も35点が来日。中でも見逃せないのが、同展のポスターにも使用されている《紫のドレスの夫人》だ。ハンガリー・ナショナル・ギャラリー絵画部門長のゲルゲイ・マリアン氏によると、「ハンガリーのモナ・リザ」として、今日のハンガリーで最も親しまれている作品だという。

作者はハンガリー近代美術の先駆者に位置付けられる画家、シニェイ・メルシェ・パール(1845~1920)。紫色のドレスを身にまとった自身の妻の姿を、黄、緑といった補色を効果的に配置して鮮やかで印象的な作品として完成させたものの、当時はその表現の斬新さはほとんど理解されなかったという。

その他、パリを拠点に国際的に活躍したムンカーチ・ミハーイ、ナビ派の大家リップル=ローナイ=ヨージェフ、象徴主義の鬼才チョントヴァーリ・コストカ・ティヴァダル、世紀末の巨匠ヴァサリ・ヤーノシュといった、日本では目にする機会の少ないハンガリー近代絵画の名作が揃う。

約400年にわたる西洋美術のトレンドを辿りながら、ハンガリー近代絵画の名作にも出会える同展。その表現の豊かさと奥深さが発見できるまたとない機会、お見逃しのないように。

【開催情報】
『ブダペスト ヨーロッパとハンガリーの美術400年』
2020年3月16日(月)まで国立新美術館にて開催