山本舞香、賀来賢人にアドリブでキス! 恋人役での共演を語る

山本舞香、賀来賢人にアドリブでキス! 恋人役での共演を語る

爪切男の小説を連続ドラマ化した『死にたい夜にかぎって』(MBS・TBSほか)で、賀来賢人と山本舞香が恋人役を演じる。変態に唾を売って生計を立てる女性・アスカと、そんな彼女を何があっても支えようとする男・浩史…。激しいカップルの6年間を体現した2人が「なんでも言い合える関係です」と息ぴったりに共演の感想を告白。キスシーンで行われたアドリブなど、撮影秘話を教えてもらった。

【写真】賀来賢人、恋人役の山本舞香に首を絞められ…「やばかった」

爪切男本人のまさかの実体験エピソードが原作となる本ドラマ。幼くして母に捨てられた小野浩史(賀来)が、さまざまな女性たちと出会い、ときにぶつかり合い、ときに逃げたりしながらも、少しずつ笑顔を取り戻していく姿を描く。山本が、浩史が人生で最も愛した女性アスカを演じた。

――女性に振り回され続けた男の半生をドラマ化した本作。脚本を読んだ感想を教えてください。

賀来:“ラブストーリー”というよりは、“男と女の話”という印象を持ちました。冴えない男・浩史と、とてもオープンで明るいけれど、心が強くはない女性・アスカの6年間が描かれますが、浩史とアスカは相反する2人なんです。2人のやり取りには泣けたり、笑えたりと、いろいろな要素が詰まっている。それをドラマ化するという試みは、自分が今までやったことがないものでありつつ、実は自分が一番やりたかったものでもあって。村尾嘉昭監督もずっとお付き合いのある方だったので、ぜひやらせていただきたいという意気込みで臨みました。

山本:最初にお話をいただいて、これは今の自分がやるべき作品だなと思いました。私は今年、芸能界に入って10年目を迎えますが、こういった役柄は今までやったことがありません。自分とも重なる部分があって、自分の経験としてもぜひやってみたい作品だと思いました。

――役柄の魅力をどのように感じていますか?

賀来:アスカはうつ病を抱えていて、浩史の首を絞めてしまうという場面もあります。そういったディープだと思える出来事も、浩史はポジティブに捉えて、乗り越えていく。あらゆることを「まあ、いいか」と思えるところは彼の一番の魅力だし、その言葉に物語のすべてが集約されているような気もします。

山本:アスカは、とても明るくてまっすぐな女の子で、かわいらしいところが魅力だと思います。でも唾を売っていたりと、自分が普通だと思っていることが、世間から考えると普通ではなかったりして。頑張っている浩史を見て「ちゃんと仕事をしよう」と思ってもうまくいかず、「自分と離れた方が、浩史は幸せになれるんじゃないか」と悩んでいる。その思いから、首を絞めるという行動に出てしまったのかなと私は考えています。とても難しい役だと思いました。

――役柄に共感する部分はありましたか。

賀来:浩史は「どうせ、俺なんて」という空気を常にまとっていて、アスカと出会うことで少しずつ変わっていくんです。僕もしょっちゅう「どうせ、俺なんて」と思っています(笑)。でも人って、誰もが自信があるように見せていても、実は自信がなかったりするもの。浩史のそういった不安は、とても人間らしいものだと思うし、僕も共感できます。そして浩史は、アスカにどんなにワガママを言われてもすべてを受け入れる。人を許すことができるんです。その強さは自分に似ているというよりも、うらやましい気持ちがあります。演じていても、すごくピュアでステキな人だなと思います。

山本:浩史のように、不器用なりに、自分を必死に支えようとしてくれる人を「かわいらしいな」と思うところは、私も同じです。そして心の病気というか、心が落ち込んでしまうことは私も経験したことがあるので、だからこそ「今の自分がやるべき役だ」「私にしかできない役だ」とも思いました。心が落ち込んで心情も、共感ができた。こんなふうに役柄をもっと自分の中に入れたいと思ったことも初めてで、この作品が終わったときに、どれだけ自分が成長できているのか…。自分自身、それがとても楽しみです。

――撮影現場のエピソードも含め、恋人役で共演した感想を教えてください。

賀来:いつもはあまり女優さんと話をする方ではないのですが、舞香ちゃんとはよく話します。とてもサバサバしていて、女優さんというよりは、俳優さんみたいな感じ(笑)。

山本:それ、よく言われます!

賀来:お芝居の話はもちろん、プライベートの話もします。最近の若い芸能界の事情とか(笑)。浩史とアスカの関係性を作る上でも、よく話をしておく方がいいのかなと思います。いろいろな話ができて、すごく面白いです。

山本:最初は「怖い人なのかな?」と思っていたんです。賀来さん、なかなか笑わないんですよ(笑)。でもダサい服を着てメガネをかけると、もう完全に浩史なんですよね。「よしよし!」ってしたくなる。役とご本人、オンオフの切り替えがすごいなと思います。今回はリハーサルのときからメガネをかけて、浩史の衣装を着てくださったりと、いつも賀来さんがやりやすい環境を作ってくれます。

――賀来さんと浩史。似ているところは感じますか?

山本:聞き上手なところです。私がいろんな話をすると、「わかる、わかる」と聞いてくれます。

賀来:俺も本音で話すからね(笑)

山本:「そうだよね」とその思いを共有してくれるから、すごくうれしい。他では話せないようなことも、賀来さんに話していると思います。

賀来:そしてそれをすべて受け入れる(笑)。互いに受け入れるんだよね。すごく話しやすいなと思います。舞香ちゃんはアスカ役に真摯に向き合っていて、ものすごくハマり役だと思う。起伏の激しい役だけれど、シーンごとにその空気をきちんと作ってくれる。監督と3人で話す機会も多くて、いいものが撮れている実感があります。

山本:スタッフの方も明るい方ばかりで、周りの方にすごく助けられています。キスシーンでは、アドリブにもトライしました。監督から「本番まで絶対にやらないでほしいんだけど、賢人にキスして」と話があって。普通に話しながらも、「どうやってキスしよう」と考えていました。

賀来:そういうことだったんだ、あのシーン! 完全にびっくりした顔が映っちゃっていると思います。そういったシーンを含め、生っぽさのようなものが映し出されたドラマになっていると思います。

■賀来賢人

1989年7月3日生まれ、東京都出身。2009年、映画『銀色の雨』で初主演を務め、2014年のNHK連続テレビ小説『花子とアン』、TBS系ドラマ『Nのために』などさまざま作品に出演。映画、ドラマ、舞台にと活躍の場を広げ、福田雄一が演出を務めたドラマ『今日から俺は!!』(18)の好演が話題に。主な出演作に映画『ちはやふる-結び-』(18)、ドラマ『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』(19)、映画『AI崩壊』(20)などがある。

■山本舞香

1997年10月13日生まれ、鳥取県出身。2010年『鳥取美少女図鑑』に登場後、掲載写真を見た事務所からスカウトされる。2011年5月「三井のリハウス」14代目リハウスガールでデビュー。2011年にドラマ『それでも、生きてゆく』で女優デビュー。主な出演作に映画「暗殺教室」シリーズ(15、16)、ドラマTBS『チア☆ダン』(18)、映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(18)、映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』(19)などがある。6月19日公開予定の映画『とんかつDJアゲ太郎』にヒロインとして出演。

■MBS/TBSドラマイズム『死にたい夜にかぎって』

MBS:2月23日スタート(毎週日曜24:50~) TBS:2月25日スタート(毎週火曜25:28~)

※毎週火曜TBS放送終了後 、TSUTAYAプレミアムにて見放題独占配信開始。TVer、MBS動画イズムにて見逃し配信

【賀来賢人】スタイリスト:小林新(UM) ヘアメイク:西岡達也(Leinwand)

【山本舞香】スタイリスト:津野真吾(impiger) ヘアメイク:Storm(Linx)) 成田おり枝