「噛まれると同性愛になってしまう」ストーリーに批判殺到 映画「バイバイ、ヴァンプ!」、公式が釈明も非難止まず

引用元:ねとらぼ
「噛まれると同性愛になってしまう」ストーリーに批判殺到 映画「バイバイ、ヴァンプ!」、公式が釈明も非難止まず

 公開中の青春ホラー映画「バイバイ、ヴァンプ!」を巡り、「噛まれると同性愛になってしまう」というストーリーが物議を醸しています。こうした事態を受け、「2019『バイバイ、ヴァンプ!』製作委員会」は、公式サイトとTwitterで釈明を行いましたが、「同性愛を差別する作品ではありません」との表現に「これを差別ではないということが差別の上塗り」「分かってるようなふりして、何も分かっていない」と再び非難の声が上がっています。

【画像で見る:削除された過激な予告】

 BOYS AND MENの弟分として活動する「祭nine.」のリーダー、寺坂頼我(らいが)さんらがヴァンパイアと戦う高校生を演じる映画、「バイバイ、ヴァンプ!」は茨城県内にある高校が舞台。

 公式サイトに掲載されたあらすじによると、「京平(演:寺坂さん)の小学校の親友である吾郎(演:とまんさん)が何やら怪しい人影に襲われてから状況は一変する。翌日、女好きの吾郎が、突然女装した同性愛者となってしまい、クラス中で大騒ぎになってしまう。(中略)京平たちは、吾郎を噛んだのがヴァンパイアで、ヴァンパイアに噛まれると同性愛になってしまうのではないか? と考え始める」と記されているほか、「ヴァンパイアに噛まれた生徒が同性を好きになるという事件が勃発するという、突拍子もないストーリーで描かれる本作は、高校生の異性に対する恋愛感情や友情といったものを、予想外の展開で描かれた笑いもある青春ホラー映画となっています」と紹介されています。

 公開されていた予告では、教室内で人目を気にせず抱き合う生徒たちの様子や「俺は欲に溺れたヴァンプなんかにならない」「さかい町が同性愛の街になってしまう」といったセリフが用いられている他、ガレッジセールのゴリさんが銭湯で生徒のお尻をわしづかみにするシーンなど、性的な表現が多く用いられている他、同性愛や同性愛者について先入観を持っているかのような演出が垣間見えていました。

 映画の公開から間もなく、映画レビューサイトでは「いまどき、なんでこんな企画が通ったのか理解に苦しむ。同性愛者への偏見を助長するとしか思えない内容」「同性愛をバイキンとして描いた最低映画」「ご贔屓の俳優さん目当で行きましたが吐き気を覚える展開に初めて映画館で席を立ちました。この時代に、一体どんな価値観で作られたのでしょう。発表に至るまで止める人がいなかったという点に置いても愕然としました」といった酷評が相次ぎ、Yahoo!映画では2月18日現在評価が5段階評価の中で1.6を記録。

 Twitter上でも石川大我参議院議員が「この世にあるLGBT差別、偏見をすべて集めたような映画。ほんとうに酷い」とツイートしたほか、「悪意とかなくて、ただ面白いホラーコメディ作ろうとしてるノリであーゆー内容なのが、教室で見るリアルな差別発言にすごい似てて、しんどいんだな」といったツイートが相次いでいます。

 また署名サイトChange.orgでは高校生が発起人となり、「#nolgbtqphobia 同性愛蔑視表現を含む『バイバイ、ヴァンプ』の公開停止を求めます。」がスタートし、2月18日現在8150人もの署名が集まっています。

 こうした事態を受け、映画の予告編のYouTube動画は非公開となったほか、公式サイトでは次のような文章が掲載されました。