石原さとみ「尊い時間、かみしめて」 聖火リレー・リハーサルで

石原さとみ「尊い時間、かみしめて」 聖火リレー・リハーサルで

 2020年東京五輪の聖火リレーのリハーサルが15日午前、東京・多摩地区で始まった。

 リハーサルはこの日夕までに3区間で実施。午前中の第1区間は羽村市のスポーツセンターからの4スロット(1組の走行区間、約200メートル)で、羽村市役所をコレクションポイント(区間ゴール)として行われた。第3スロットでは女優で聖火リレーアンバサダーの石原さとみ(33)が走行。沿道からの盛んな声援に笑顔で応えた。

 「あっという間でした」。走り終えた石原は振り返った。スタート前は「緊張した」というが「沿道の人がハイタッチしてくれたり名前を呼んでくれたりで盛り上げてくれて、すっごくうれしくて。『走る気持ちをこんなに盛り上げてくれる』と伝わってきて、すごくパワーをもらいました」と満面の笑み。

 沿道から多くの人が声援をくれたり、手を振ってくれたりする様子を見て「うれしくて笑顔になったら、気持ちが高揚して(走るペースが)どんどん速くなって…。(係員から)『もうちょっとゆっくりお願いします』とか注意していただいた。踏みしめている一歩をちゃんと感じながら走れたら、もっともっと高揚感を感じられたかも。『この時間をちゃんと堪能してから走った方がいい』と感じました」と反省点も。

 聖火リレー本番は3月26日に福島県・Jヴィレッジをスタート。開会式が行われる7月24日までの121日間に全国47都道府県をめぐる。この日のリハーサルは本番に向けて沿道の警備状況など課題の洗い出しが目的。火はついていないが、使用されたトーチや火を移す聖火皿などは実際に使用されるものだ。

 「(トーチは)止まって持っていると多少重いなと感じるけど、あの場にいくと重さを感じなかった。右手で持つのが基本姿勢なんですが、片手で持っていても自分の(気持ちの)中では安定していた」と、石原は“ランナーズハイ”状態だった様子。

 次走者との間でトーチとトーチをくっつけて火を移す「トーチキス」ではポーズもとった。「トーチキスをするというのがどういうことか、わからない部分もありましたが、少しパフォーマンスをすることで自分の中に記念として残ったらいいなと思いました」

 石原自身は本番でも長崎県で走る。「何の情報もなく走ると焦ったかも。気を付けたいポイントや、こういうパフォーマンスがあるんだと報道を通して知っていれば準備できる部分はあるのかな」。そう話すと、実際に聖火リレーをする人へ向けてこんなアドバイスを送った。

 「車に乗ってスタート地点に行くまでの時間、緊張とワクワクが入り交じって固まりそうになるけど、作り笑顔でもいいので笑顔でいると、(周囲の)皆さんが笑いかけたり、手を振ってくれたりして、本当に笑顔に変わります。あの景色を見てみようという気持ちが大切。この時間は今後、誇りになる尊い時間だと思うので、かみしめてもらいたいですね」

 また「沿道の人が、スポンサーさんが配っているグッズなどお土産をもらうだけでも楽しそうにしていたのを見て、『これが121日間、全国で行われるんだ』と思うとワクワクする。皆さんが住んでいる近くでリレーが行われるので、参加していただければ思い出になる。外へ出て楽しんでもらえたらと思います」と、ランナー以外の人にも呼び掛けた。

 リハーサルは午後に国分寺市の「お鷹の道」で第2区間、夕方には八王子市内で第3区間を実施。同市の富士森公園で1日の終了式典にあたる「セレブレーション」を行う。